【C-1】(しーいち)
- グラマンC-1"Trader(トレーダー)"
アメリカ海軍が運用していた艦上輸送機。旧呼称TF-1。
主に、CODを行う艦上輸送機として運用された。
当時、海軍はA-1「スカイレーダー」ベースの艦上輸送機型であるAD-5RをCOD任務に使用していたが、搭載容量が900kgと少なく、運用に苦労していたため、艦載機としては大型で、転用も容易であったS-2「トラッカー」対潜哨戒機をベースに開発された。
機体は輸送用に胴体を再設計した以外はほぼS2F-2と同様である。
専用のカーゴドアを装備していないため大型貨物の搭載には難があるものの、約1.6tの貨物搭載能力を持つほか、座席を設置し9名の人員を輸送することもできる。
最終的にC-1 87機、EC-1A 4機が製造され、ベトナム戦争で洋上に展開する空母への補給に活躍した。
後継機であるC-2「グレイハウンド」艦上輸送機の生産開始後も、空母での運用は1980年代後半まで続けられ、1988年9月に全機が退役した。
【スペックデータ】
乗員 2名+兵員9名 全長 13.8m 全高 5.1m 全幅 22.1m 主翼面積 46.3㎡ 空虚重量 9,359kg 最大離陸重量 12,063kg エンジン ライトR-1820-82WA空冷星形9気筒(推力1,137kW)×2基 速度
(最大/巡航)197kt/141kt 海面上昇率 341m/min 実用上昇限度 4,815m 航続距離 870nm
【バリエーション】
- 川崎C-1
川崎重工など国内航空産業メーカーが合同製作した国産の中型輸送機。
高翼式の主翼とT字形尾翼が特徴であり、アメリカ軍の兵士からは「ミニギャラクシー」とも呼ばれていた。
沖縄返還前に計画・設計された機体なので、政治的な判断から航続距離が異様に短く設定された(道北~奄美群島までとされていた)のが欠点ではあるが、4重フラップを活用した短距離離着陸性能や高機動飛行が可能な飛行性能は、他の輸送機には真似のできない本機だけの特徴である。
そのため、1970~1980年代に旧科学技術庁の航空宇宙技術研究所(NAL)が開発したSTOL実験機「飛鳥」の製作母体に選ばれた他、アメリカ軍からも「特殊作戦用輸送機」としての導入が打診された、という話も残っている。
初飛行から30年近く経って老朽化・陳腐化したため、現在「中期防衛力整備計画」を基にした後継機「C-2」の開発が進められている。
(ちなみに同機の設計は、海上自衛隊向けの新型哨戒機「P-1」との共通化が図られている)
関連:空挺降下
【スペックデータ】
乗員 5名・兵員60名/空挺隊員45名の輸送が可能。 全長 29.0m 全高 9.9m 全幅 30.6m 主翼面積 120.5㎡ 空虚重量 24,000kg 最大離陸重量 45,000kg 最大ペイロード 8,000kg エンジン P&W JT8D-9ターボファン(推力64.2kN)×2基 速度
(最大/巡航)マッハ0.76/マッハ0.65 海面上昇率 1,067m/min 実用上昇限度 11,600m 航続距離 700nm(ペイロード最大時)/1,188nm(ペイロード6,500kg時) 製造 川崎重工
【バリエーション(カッコ内は生産機数)】
- XC-1(2機):
試作・飛行実験機。
後に試作1号機(#001)はC-1FTBに、試作2号機(#002)は量産型に改造された。
- C-1(29機):
量産型。
- C-1FTB(1機):
試作1号機(#001)を改造したテストベット機。機首に装着された長い計測プローブが特徴。
飛行開発実験団(岐阜基地)に配備され、T-4や飛鳥、XP-1のエンジンのほか、ミサイルや機体装備品の試験に使用されている。
- EC-1(1機):
量産型(78-1021号機)にECM装置を搭載した電子戦訓練機型。
機首のアンテナフェアリングが特徴。
航空総隊司令部飛行隊(入間基地)に配備されている。
- 飛鳥:
C-1をベースにしたSTOL実験機。詳しくは項を参照。
Photo:MASDF
- XC-1(2機):
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