3両編成化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:10 UTC 版)
2両編成以上の編成を組成することが不可能であった本系列は運用上都合が悪く、1950年(昭和25年)12月に中間電動車モ3450形3451 - 3453を新製して各編成へ組み込み、全編成とも3両固定編成となった。なお、本系列の中間車製造は早期から検討されており、本系列落成の翌年、1938年(昭和13年)には日本車輌製造本店によって図面が作成されていたことが、日本車輌製造の内部資料によって判明している。ただし、モ3450形の新製に際しては日本車輌製造本店にて設計図面「組-2-ハ-9368」が1950年(昭和25年)9月6日付で新規に作成されている。 モ3450形は運転台を持たない中間車であることを除き、側窓上隅部の曲線処理や客用扉上部の上辺のアーチ状処理など車体形状・構造は先頭車であるモ3400形・ク2400形の基本設計を踏襲した。一方で細部には改良が加えられ、側窓構造が通気性の改善を目的として二段上昇式に変更されたほか、屋根上ベンチレーターが押込形の二列配置に改められた点が異なる。車内座席は全席転換クロスシート仕様である。 側面窓配置は3 D 9 D 3で、モ3400形・ク2400形の運転台側に相当する部分をそのまま連結面側の窓配置に置き換えた構成である。ただし、モ3450形の台車心皿中心間隔は11,900 mmとモ3400形・ク2400形より100 mm短縮され、また前後オーバーハングを2,850 mmで統一した前後対象構造としたため、車体長は17,600 mmとモ3400形・ク2400形より650 mm短縮されている。 主要機器については、制御装置はモ3400形と同じく電動カム軸式の自動加速制御器ながら、停止用発電制動機能を備える東洋電機製造ES-532-Aへ、主電動機は運輸省規格形電車である3800系における大量採用を契機にAL車の標準型主電動機となりつつあった東洋電機製造TDK-528/9-HM(端子電圧750 V時定格出力112.5 kW、同定格回転数1,188 rpm)へそれぞれ変更され、同時にモ3400形についてもモ3450形と同一の機器に換装された。歯車比はAL車の標準値である3.21 (61:19) に設定され、MT比が従来の1:1から2:1に向上したこともあり起動加速度が向上した反面、全界磁時定格速度は64.0 km/hとなり、中高速域の加速特性は従来よりも低下した。モ3450形の装着する台車はD16と比較して心皿荷重上限を2 t引き上げた日本車輌製造D18で、基本設計は従来のD16と同様であるものの、軸受は落成当初より平軸受仕様とされた。 モ3450形はパンタグラフを搭載せず、走行に必要な架線電圧はク2400形より直流1,500 Vの高圧母線を引き通して給電される形を取った。そのため、3両編成化に際してク2400形へ再びパンタグラフが搭載された。この際ク2400形へ搭載されたパンタグラフは過去に採用したPT-7ではなく、国鉄制式機種のPS13A戦時設計型菱形パンタグラフに変更され、同時にモ3401・モ3402のパンタグラフについてもPS13Aへ換装された。 3両固定編成化後の本系列は以前と比較して特急・急行運用への充当機会が増加したが、朝夕の多客時間帯については4両編成を組成可能な他形式と比較して収容力不足が懸念されたため、依然として日中時間帯を中心とした運用に留まった。平日朝夕の時間帯は支線区における普通列車運用のほか、臨時団体列車運用にも充当された。
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