登山電車の3両編成化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 18:40 UTC 版)
「箱根登山鉄道鉄道線」の記事における「登山電車の3両編成化」の解説
鉄道線を利用する観光客は増加し、1991年には年間輸送人員が1千万人を超えた。この当時、箱根を訪れる観光客のうち52 %は何らかの形で箱根登山鉄道を利用していた。当時の登山電車は2両編成で15分間隔が最大の輸送力であり、ゴールデンウィークや箱根大名行列が開催される11月などは登山電車に乗るのに2時間待ちという状況となっていた。しかし、特有の線路条件から増発はできないため、列車を最大3両編成にすることが決定した。 鉄道線の箱根湯本駅から強羅駅までの各駅は開業以来2両編成に対応した設備となっており、全駅においてホーム延伸対応工事が実施された。最も難工事だったのは塔ノ沢駅の工事で、駅の両側がトンネルに囲まれ、開業当時から強羅側の分岐器がトンネル内に設置されている状況で、しかも駅へ通じる道は細い人道があるだけで、工事にあたって大型機械を導入することはできなかった。このため、小田原側のトンネル拡幅はほぼ全てを手掘りで施工することになり、文字通り人海戦術での工事を余儀なくされた。塔ノ沢駅の工事だけで、総工費20億円のうちの半分近くが費やされた。 これ以外にも、変電所の増強や、架線電圧を600 Vから750 Vへ昇圧、一部車両の2両固定編成化などが行われた。塔ノ沢駅の工事が予定より早く終了したため、当初は1993年10月からを予定していた3両編成化の日程は繰り上がり、同年7月14日から3両編成での運行が開始された。
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