2両固定編成化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 08:07 UTC 版)
「小田原電気鉄道チキ1形電車」の記事における「2両固定編成化」の解説
2両固定編成となったモハ1形(奥の車両は増結されたモハ2形) 新設された非常用の貫通路 その後、輸送力増強のため、鉄道線では1993年からは3両編成での運行が行われることになった。これに伴い、モハ1形を2両固定編成にしたうえでモハ2形を1両連結して3両編成とすることになり、1990年からは順次モハ1形の2両固定編成化が開始された。改造内容は片側の運転台を撤去して客室とした上で、非常用の貫通路を設けるというもので、箱根湯本駅を基準にして小田原駅寄りの車両からは蓄電池が、強羅駅寄りの車両からは電動発電機が撤去された。この改造は1990年後半から開始され、1993年7月までに2両固定編成×3編成が組成された。組成された編成については巻末の車両一覧を参照。1993年7月からは3両編成での運転が開始されたことを記念して、車体色も窓周りをマルーンとし、窓の上下の帯(ウインドシル・ヘッダー)を銀色、それ以外の部分については赤みの強いオレンジ色とした塗装デザインがモハ104号+モハ106号の編成に対して施され、1995年までそのままの塗装で運用された。 1999年4月から2000年5月にかけて、鉄道線の箱根湯本-強羅間開業80周年と彫刻の森美術館の開館30周年を記念して、モハ101号+モハ102号の編成が「とことこっとトレイン」として運行された。車体のベースを草原のイメージとした彩色とし、『ストレイシープ』のキャラクターをちりばめたデザインで、一般公募で「カモミール号」という愛称もつけられた。 しかし、2000年12月2日のダイヤ改正からは、輸送力増強のため、日中の小田急電車の直通本数を倍増させ、代わりに箱根登山鉄道の車両は日中は小田原駅 - 箱根湯本駅間を走らなくなった。これに伴う運用数減少のため、2002年にはモハ101号+モハ102号の編成が廃車となった。 その後、モハ2形で行われていた駆動方式変更がモハ1形でも行われることになった。改造内容はモハ2形と同様、これは、台車を東急車輛製造のTS-330A形に変更した上で、駆動方式も中空軸平行カルダン駆動方式に変更するというもので、改造された車両では、台車に装備されているブレーキシリンダー等の部品が干渉しないように、側面の客室扉ステップ部分裾板が切り詰められていることが外観上での識別点である。2006年にはモハ106号について改造が行われたが、この時は連結相手のモハ104号については改造は行われておらず、固定編成でありながらそれぞれの駆動方式が異なるという珍しい状態となった。モハ104号は翌2007年に改造が行われた。2008年には客用扉が無塗装ステンレス製に変更された。2019年7月19日には、最後まで吊り掛け駆動で残っていたモハ103号+モハ107号が引退した。
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