2006年以降-昭和火口活動期
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「桜島」の記事における「2006年以降-昭和火口活動期」の解説
2006年6月4日に昭和噴火の火口跡付近において小規模な噴火が発生、以降、昭和火口が中心となって爆発の回数が再び増加へ転じた。2009年以降の活動の活発化傾向は特に著しく、観測所において爆発的噴火と記録された噴火は2009年548回、2010年896回、2011年996回、2012年は885回と、これまで観測された記録の上位4位までを占める形となっている。また、2012年1月には月初来の噴火回数で、2011年9月に記録した月間最多記録141回をわずか22日にして更新し、最終的には172回の記録を残した。そして、その4ヶ月後の同2012年5月に1955年の観測開始以降、最速で年間記録500回を記録している。この、2006年から2012年の間において、従来の記録を大きく上回る爆発的噴火の影響により、昭和火口の大きさが2006年11月時点よりも約2.5倍の大きさに広がった。 2010年には、1914年の大正大噴火で下がった地盤1.5 mのうち9割が回復したとされた。これは桜島のすぐ北の鹿児島湾地下約10 kmにあると考えられているマグマ溜りから毎年0.01 km3の供給があるとためだと考えられており、万一、噴火のフェイズが溶岩流の流出を伴うものへと移行した場合、大正噴火時に噴出した溶岩量と同程度の噴出が発生する可能性が懸念された。2020年には大正噴火以前のレベルにまで回復するとの研究が2013年に発表されている。 2011年12月2日18時51分に、1955年の観測開始からの爆発的噴火の回数が通算1万回を記録した。その19分後には1万1回目の噴火を起こした。 2013年8月18日16時31分、昭和火口で爆発的な噴火が発生。噴煙の高さは2006年からの昭和火口の活動が再開して以来最も高い5000 mまで達した。また、この噴火に伴い九州全土に伝播する周期5秒以上の長周期地震波が基盤的地震観測網 (Hi-net, F-net) で観測された。火砕流も約1kmにわたって観測された。なお同年9月にも上空4000mに達する噴煙を伴う噴火が起きており、翌10月の火山噴火予知連絡会では北海道大学により火道角礫が確認された事が報告され火道が拡大している可能性も指摘されている。 2015年8月15日、午前7時ごろから桜島南岳直下約2.5km付近を震央とする火山性地震が急増すると同時に、昭和火口付近を中心に東西に5~10cm相対的に離れる地殻変動が観測された。この観測結果から気象庁は同日午前10時15分、桜島の噴火警戒レベルを4に引き上げた。しかしその後噴火は発生せず、17日後の9月1日に警戒レベルは3に引き下げられた。このイベントはマグマ貫入による矩形開口断層の活動と推定されており、マグマが火道に到達しなかったため噴火には至らなかったと考えられている。 2020年6月4日午前2時59分に南岳山頂火口で起きた噴火では、1955年10月の観測開始以降で最高高度の、火口から7850-9570mの噴煙を観測した。この噴火では火口から南南西に3km地点で、火山弾による直径6m・深さ2mのクレーターが形成されており、噴火警戒レベル5相当のイベントであったことが指摘されている。 2014年12月8日13時44分(JST)昭和火口噴火の連続写真(有村溶岩展望所より撮影) .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} 噴火直前13時43分24秒 噴火直後13時44分18秒 13時44分28秒 13時44分38秒 13時44分46秒 13時45分00秒 13時45分26秒
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