1982年度版(IIBの「代数・幾何」「基礎解析」「確率・統計」への分割)
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この学習指導要領では大規模な変更が行われた。これまでのIIA及びIIBの違いを残しつつ、IIBの系統を更に分割するカリキュラムがとられるようになった。こうしてIIAの系統のみが数学IIとなり、IIBは「代数・幾何」「基礎解析」「確率・統計」の3科目に分割された。さらに数学IIIは確率分布や統計的な推測を「確率・統計」に移行し、残りの内容は「基礎解析」の後に履修する科目「微分・積分」に移行され、「基礎解析」だけでも履修すれば整式の微分・積分とそれらの応用を履修できるようにされた。このIIBの改定は以降のローマ数字系(方程式・不等式と関数を中心とした解析学の内容)とアルファベット系(方程式・不等式以外の代数学、幾何学、論理学、統計学などの内容)の改定の走りであった。こうして新たに数学II(標準単位数 3 単位)として位置付けられたものの内容は次のとおりである。 確率と統計順列・組合せ 確率 統計 ベクトルベクトルとその演算 ベクトルの応用 微分と積分微分係数の意味 導関数とその応用 積分の意味 数列等差数列 等比数列 いろいろな関数指数関数 対数関数 三角関数 電子計算機と流れ図電子計算機の機能 アルゴリズムと流れ図 標準単位数は 3 単位であったが、実際はほとんどの高校で電子計算機と流れ図を除く全ての内容を履修していた。そしてIIBおよび数学IIIの一部は以下のように分割された。 ベクトル、行列、二次曲線、空間図形は「代数・幾何」へ。 三角関数、指数関数・対数関数、数列、微分法・積分法は「基礎解析」へ。 場合の数、確率、資料の整理、確率分布、統計的な推測は「確率・統計」へ。 この改定により、公理系は削除されたが、対数などは2年次以降の内容へ舞い戻っている。また、1979年から実施された大学共通一次試験(以下、共通一次)とそれを受け継いで1990年から実施された大学入試センター試験(以下、センター試験)では数学IIを受験科目とした。しかし、共通一次でもセンター試験でも、出題範囲は上記漢字3科目との重複分野のみと規定され、電子計算機と流れ図は出題されなかったため、「簡易版」のIIA、「進学系」のIIBという傾向に変化はなかった。このことを示す例として当時のチャート式の中でもいわゆる「赤チャート」に数学IIはなかったこと、当時のセンター試験の赤本において数学IIの分野と「代数・幾何」「基礎解析」「確率・統計」との対応を掲載していたことなどが挙げられる。
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1982年度版
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1982年度から施行されたものでは幾つかの点で再び大きな転換がなされている。 1973年度版で追加された内容は、2年次以降に履修する「代数・幾何」・「基礎解析」に移された。 設置されてから一貫して数学Iの内容であった三角関数・指数関数・対数関数は「数学II」(2~3年次相当)・「基礎解析」(2年次相当)へ、場合の数と確率は「数学II」・「確率・統計」(3年次相当)へ移された。 弧度法および三角関数の加法定理とその応用は「基礎解析」へ移行した。 逆関数および集合は現代化カリキュラムでは中学校の内容だったが、この版で数学Iに移行された。
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