高度に組織化された輪姦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 16:40 UTC 版)
「スーパーフリー事件」の記事における「高度に組織化された輪姦」の解説
東京地裁は、スーパーフリーを「条件さえ整えば、特段の打合せもないままに、その場で直ちに輪姦行為に及ぶことのできる高度に組織化された輪姦集団」と認定した。公判や報道などで明らかにされた実態は以下のようなものである。 スーパーフリーの男性メンバーは、代表者を頂点に、輪姦への貢献度やチケットの販売枚数に応じて「1軍」「2軍」「3軍(ボーイズ)」の3つの階級に分かれるようになった。上下関係は絶対で、言葉遣い・礼儀作法には非常に厳しかった。階級が高いメンバーはスーパーフリーの公式ウェブサイトに顔写真入りのプロフィールを掲載できた。1軍の支部長クラスには、チケットの売上だけで月70万円を優に超える稼ぎがあった。代表者は1000万円以上の年収があったともいわれる反面、月額30万円以上の債務をも抱えていた。 イベントの広告は、関東近郊の小規模大学の女性をターゲットにして行われた。都会及びエリート大学に憧れる心理を狙うものであった。遊びなれていない女性が輪姦のターゲットであった。カモにしていた女子大も存在するという。 強姦や輪姦は、イベント会場、二次会の居酒屋、三次会のカラオケボックスまたは組織事務所で主に行われていた。スーパーフリーのメンバーは10人弱の「鬼畜班」と約40人の「和み班」に分かれ、前者は強姦の実行を担当し、後者は被害者の酔い潰しやブロッキング(被害者と被害者の友人等を隔離し、輪姦が気づかれないようにすること)といった強姦の幇助と被害者の丸め込みを担当した。「鬼畜班」と「和み班」を兼ねているメンバーもいた。被害者を丸め込むにあたり、輪姦終了後に缶コーヒーをおごる、ファミリーレストランに連れて行く、無理やり笑顔を作らせて写真を撮る、などの事後処理行為がおこなわれた。これは後で問題になったとき、和姦を主張するためである。 女性を酔い潰すに際しては「スペシャルサワー」と称する高アルコール飲料(アルコール度数96のスピリタスを各種サワーに混ぜたもの)が常用された。これは代表者と幹部(逮捕者)が女性を早く泥酔させる目的で試行錯誤の末に編み出した調合の酒であり、隠語では「スーパーヤリヤリサワー」とも呼ばれていた。未成年であっても飲酒は要請されていた。ジュースにも混ぜられる睡眠薬ハルシオンも用いられた(但し、代表者は薬物の使用には反対していたともいわれている)。被害者が昏睡状態に陥り、吐瀉物にまみれ、気絶して全く反応しなくなっても輪姦は続行された。 輪姦は「ギャルズ」と呼ばれる合計50~60人程度の女性スタッフにも支えられていた。この「ギャルズ」は、元々スーパーフリーで輪姦被害を受けた女性が務めた場合もあったという。彼女らは男性メンバーがチケットを売りさばくのを助けると共に、自らの知人女性をイベントに連れてきて男性メンバーに「献上」し、「献上」された女性に対する輪姦のブロッキングを幇助し、さらには被害者の宥め役を担当していた。それらの貢献への見返りとして、「ギャルズ」は芸能プロや女性誌への紹介、金銭的報酬といった恩恵を受けていたといわれる。被害者の女性の立場から見れば、自分の他にも女性が多数参加する会合だったにも関わらず輪姦されたことになる。例えば、起訴された2003年5月18日の輪姦が行われた居酒屋にいた15人の内訳は、男性7人と女性8人であり、女性の方が多かった。 暴力団幹部の息子と繋がりのあるハコ屋(クラブでのイベントの予約利権を握るイベントサークルOB集団。イベントサークルがクラブ会場を借りる際にはハコ屋の仲介は必要だとされる)がスーパーフリーの関係者にはいた。スーパーフリーのメンバーたちは、女性を強姦した後「俺たちにはヤクザがついている」と被害者を脅して口封じをしていた。 2001年にスーパーフリーは軌道に乗り、法人格を持つ有限会社となった。2002年からは大阪・名古屋・札幌・福岡に支部を設立して全国展開を行った。これらの支部のスタッフを交えて輪姦をおこなうこともあった。 スーパーフリー主催によるほぼ全てのイベントで強姦が行われていたと、被告人の一人が第17回公判で証言している。被害者の総数は400名以上にのぼるとも報じられた。代表者は、自らが犯したのは200~300名ほどとしている。イベントの際の一日あたりの被害者数は3~4人であり、4月の新歓の時期は1ヶ月で20人ほどが輪姦された。
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