高度な遊び方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 13:58 UTC 版)
簡単なヨーヨーでは、ひもが軸に固定されていた。しかし、ひもを軸に固定しないタイプが生まれ、遊び方が高度化した。先端を輪にしたひもをヨーヨーの軸にかけ空回りするようにしたものや、ヨーヨーの軸となる部分にプラスチック製のものや金属ボールベアリングなどの軸受を取り付け、その上にひもをつけることによってひもが直接回転軸に触れないようにしたものなどがそれである。そのまま巻き付けて使えば、普通のヨーヨーと同じように使えるのだが、ひもが伸びきっても回転を止める抵抗がないため、ひもは逆方向に巻き取られず、ヨーヨー本体だけが落下時の方向にいつまでも回ることになる。しかし、このままだとひも巻き取る手段がないため、本体の回転軸近くにひもに対する抵抗となる構造上の突起や高摩擦のシールなど(レスポンスと呼ぶ)を設けておく。そうすると、回転中にヨーヨーのひもを引っ張るなどしてひもにたるみを与えることによって、ひもがひっかけ抵抗に絡まるため巻き取ることが可能となる。 このような回転のあるヨーヨーは、回転中はジャイロ効果により横に倒れにくいという特徴をもっているため、様々なパフォーマンスができるようになった。ウォーク・ザ・ドッグ(犬の散歩)やエレベーターなどは、トリックと呼ばれる技の例である。なお、現在のヨーヨー空転時間(スリーパー)の世界記録は2012年の世界大会で香港のSimpson Wong Wai Sheukが樹立した30分28秒30である。 プレースタイルにも種類があり現在では大まかに以下の6つの部門に分類される。 1A:ワンハンドストリングトリック ヨーヨー1つで、あやとりのような「ごちゃ系」と呼ばれる技や、主に糸の上を滑らせる「レール系」と呼ばれる技を行う。 2A:ツーハンドルーピングトリック 両手にヨーヨーを1つずつ持って弧を描いたり、紐を腕に巻きつけたりする技を行うスタイル。 3A :ツーハンドストリングトリック 両手にヨーヨーを1個ずつ持って二つで1Aに近い技を行う。マーク・マックブライドが考案したベルベット・ロールというトリックからできた。 4A:オフストリングトリック (OS) あらかじめヨーヨーとストリングを外してそれぞれ独立させた形でのプレーを行う。デイル・オリバーが考案したオリバーズ・ロケットというトリックからできた。 ディアボロ(中国ゴマ)と違う点は演技の始まりと終わりにストリングがヨーヨーに巻きついた状態にあること。 5A:カウンターウェイトトリック (CW) 本来指につけるひもの端に重りを付け、手からヨーヨーを独立して運動させることで、ヌンチャクのような動きが出来るプレースタイル。カウンターウェイトと呼ばれる。 スティーブ・ブラウンによって考案された。 AP:アーティスティックパフォーマンス 1-5A部門とは違い、芸術性を追求。ヨーヨーさえ使えば何をしても良い。 ※過去に、まだ名前のついていない仮部門のことをX部門と呼ばれていた。2000年頃までの世界大会は主な競技は1Aと2Aだけだったが2000年~2002年に新しい部門が開発された。(本当はもっと昔からあったが、非公式部門という扱いを受けていた)それが 3A・4A・5Aだ。しかし、開発当初は正式名称がなかったため、とりあえずX部門と呼ばれていた。現在はX部門は存在しない。従って 8A・9A・13Aは非公式部門なので、AP部門でプレイする必要がある。 世界的な大会としてWorld Yo-Yo Contestが存在する。また、日本では語呂合わせで日本ヨーヨー協会が4月4日をヨーヨーの日と制定、外国では6月6日(National Yo-Yo Day)であり、ヨーヨーを世界的に有名にした立役者であるドナルド・F・ダンカンの誕生日である。
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