電気事業者への供給
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「東京電力 (1925-1928)」の記事における「電気事業者への供給」の解説
東京電力では他の電気事業者(電気供給事業者および電気鉄道事業者)に対しても積極的に電力供給を行った。 先に東京方面への進出を果たした旧群馬電力では、当初京浜電気鉄道に対し供給用・電鉄用として6,000kWを供給する契約を結んでいた。鉄道専業となった後の1927年5月時点でも同社に対しては電源のすべて(計2,500 kW)を供給する。旧群馬電力ではさらに市内電車と供給事業を経営する東京市に対しても1924年2月から2,000kWの送電を開始した。市への供給は徐々に拡大し東京電力時代には最大9,000kWに達するが、市営事業の主電源である鬼怒川水力電気からの供給 (37,000 kW) に比べると小さい。 1924年7月に東京方面への送電線を完成させた旧早川電力では、まず同年9月19日より東京湾埋立に対し3,000kWの送電を開始し、次いで川崎変電所の完成に伴い10月16日より旧群馬電力に対し3,000kWの送電を始めた。このうち東京湾埋立は橘樹郡田島町・潮田町両地先にて埋立事業を展開しており、自社埋立地に進出した浅野セメント川崎工場・浅野造船所・日本鋼管などの工場に対し酒匂川水系の落合発電所(出力7,000 kW)を電源として供給していた。1927年5月時点でも東京湾埋立の電気事業を引き継いだ東京湾電気に対し引き続き3,000kWを供給している。 上で取り上げた事業者以外にも、1927年5月時点では富士電力(4,000kW供給)、小田原急行鉄道(現・小田急電鉄、2,300kW供給)、目黒蒲田電鉄(現・東急電鉄、1,100kW供給)といった大口需要家があった。
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電気事業者への供給
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1930年(昭和5年)になり、東邦電力に対する供給のうち半分の6,500kWについて契約期間が満了となり、9月末限りで供給中止となった。供給継続のため交渉が進められていたが、大幅な値引きを求める東邦電力に対し矢作水力が応じず一旦契約終了という形になったものである。これに伴う余剰分は暫定的に大同電力へと供給されたが、矢作水力の料金収入は半減した。大同電力に対しては、翌1931年(昭和6年)の天竜川電力合併に伴い同社から引き継いで南向・大久保両発電所の電力も送電するようになっている。 1933年(昭和8年)の白山水力の合併では、北陸地方の発電所と東邦電力・京都電灯への供給関係を引き継いだ。白山水力では西勝原・吉野谷両発電所の電力を大同電力経由で東邦電力へ、鳥越発電所の電力を京都電灯へとそれぞれ送電していたが、吉野谷発電所分(出力12,500kW)は1931年6月の契約満期にあたり東邦電力との交渉が決裂し、受電休止の状態にあった。余剰電力はカーバイドメーカーの大北工業(石川県)が引き受けていたが、合併により大同電力・東邦電力に託送料を支払った上で矢作水力でも引き受け名古屋方面で販売することとなった。 合併後、1934年(昭和9年)4月に1920年代から継続中の東邦電力に対する6,500kWの供給契約が満期を迎えた。今度の料金改定交渉は円満に解決し、従来矢作川系統からの供給であったものを吉野谷発電所からの6,250kW供給に振り替えることとなった。供給関係の変更は1935年(昭和10年)10月に認可があり、東邦電力に対する電力供給は大同電力経由・東邦電力羽黒変電所(愛知県丹羽郡羽黒村)渡しにて西勝原・吉野谷両発電所分26,570kW、矢作水力名古屋変電所渡しにて420kWとなった。 1936年(昭和11年)1月、社内最大の泰阜発電所(出力52,500kW)が運転を開始したのに伴い、日進変電所において大同電力に対する電力供給が始まった。供給は発電所一部未完成のため5,000kWで始まり、同年4月から12,800kWとなっている。一方矢作川の釜井開閉所にて従来常時5,000kWを大同電力に供給していたが、これは同年10月融通電力供給に変更された。この結果、大同電力に対する供給関係は南向・大久保両発電所分の送電25,520kWと日進変電所における供給12,800kWの計38,320kWとなった。 1938年(昭和13年)には、4月に名古屋変電所における対東邦電力の供給増加(420kWから3,240kWへ)、11月に対京都電灯の供給増(12,000kWから18,000kWへ)、12月に北陸の電力会社日本海電気に対する新規供給(3,700kW供給)がそれぞれ実施された。キロワット時 (kWh) ベースの供給電力量で見ると、1938年度下期(1938年10月から翌年3月まで)の供給量は大同電力1億856万kWh・東邦電力1億528万kWh・京都電灯5966万kWh・日本海電気950万kWhであり、この4社への供給だけで会社全体の総発受電量4億9038万kWhの6割近くを占める規模であった。
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