供給の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:07 UTC 版)
はじめに、大同電力解散直前の1939年(昭和14年)4月1日時点における事業者別の電力供給kW数および電灯取付個数を以下に記し、供給の概要として示すこととする。 1939年4月1日時点電灯・電力供給先一覧需要家名供給数備考京阪方面宇治川電気121,800kW 大阪市86,000kW 京都電灯33,000kW うち10,000kWは関西共同火力発電供給分 京阪電気鉄道13,000kW 南海鉄道11,000kW 東邦電力奈良支店10,000kW 阪神電気鉄道7,000kW 鉄道省6,000kW 東海道本線京都 - 吹田間と城東線・片町線の所要電力を供給 大阪電気軌道2,000kW 一般供給電力75,792kW電灯377,942灯 京阪方面小計電力365,592kW電灯377,942灯 東京方面東京電灯85,000kW 北陸方面大同化学工業19,400kW 京都電灯福井支社12,000kW うち9,000kWは関西共同火力発電供給分 越前電気6,400kW その他288kW 北陸方面小計38,088kW 名古屋・木曽方面東邦電力28,000kW 中央電気1,500kW 木曽川電力1,500kW 中部合同電気1,200kW 土岐郡電気事業組合1,000kW その他1,672kW 一般供給電灯5,423灯 名古屋・木曽方面小計電力34,872kW電灯5,423灯 合計電力523,552kW電灯383,365灯 このように末期の時点では、電力供給について見ると総供給電力52万kW余りのうち、70%を京阪方面へ、16%を東京方面へ、7%を北陸方面へ、残りを名古屋方面および木曽方面へとそれぞれ振り向けていた。供給先の大部分は電気事業者であり、一般電力供給(直接供給とも、一般需要家への小売りを指す)は全体の14%を占めるに過ぎない。一般電灯供給も比率が小さく、kWhベースの供給電力量で見ると、1938年度では全供給量に対して電灯供給量が占める割合は0.2%である。以上のように大同電力は、電気事業者への供給(卸売り)を主体に若干の小売りを手がける電力卸売り会社であった、といえる。 上記の供給先の中で、3万kW以上を供給する事業者は、五大電力のうち宇治川電気・東京電灯・東邦電力の3社に市営事業を経営する大阪市を加えた計4事業者である。これらの「四大卸売先」への供給は、1929年(昭和4年)上期末(5月末)の時点にさかのぼると総供給電力31万kW余りのうち7割以上を占めていた。 なお、以下で詳述する電気事業者間の供給契約は最低料金制に基づくものである。需要者側の消費キロワット時 (kWh) を基準とする従量制の料金制度ではあるが、実際の消費量が契約キロワット (kW) 高の一定割合(「責任負荷率」という)で区切られた最低使用量を超えなくともその分の料金を支払う必要があった。1kWhあたりの単価を8,760(24時間×365日)および責任負荷率で乗ずるとkWあたりの年間最低料金に換算できる。
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