供給ガスに一酸化炭素を含む事業者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 22:35 UTC 版)
「都市ガス」の記事における「供給ガスに一酸化炭素を含む事業者」の解説
一酸化炭素を含むガスは、その問題が浮上した2007年の北見市都市ガス漏れ事故の時点で16事業者が残っていたが、これを契機として経産省・日本ガス協会は家庭用ガスの無毒化を前倒しして進めることになった。計画では2010年12月に完全転換としていたが、ほとんどが2009年までに12A・13Aに転換され、2010年3月25日、最後の四国ガスが13Aに全面転換し、日本国内から一酸化炭素を含む一般熱機器用ガスは根絶されている。 ただし天然ガスの主成分メタンは、LPガスの主成分であるプロパン、ブタンと比べても酸化還元作用が強く、燃焼状態でなくとも微量ずつ酸素と結合するため、大量に吸引すると酸欠となる可能性が高い。2009年に発生した杉並工業高校都市ガス漏れ事故では、13A転換済みであったにも関わらず、20人が中毒症状を訴え搬送されている。 なお、これら一酸化炭素を含む都市ガスの原料として、一部に石油ガスがあったことから、プロパンガスには今でも一酸化炭素、或いはそれ以外の毒性物質が含まれているという誤解があるが、一般熱機器用及び自動車用のプロパンガスは元々、無毒性である。 秋田市ではかつて、同一市内で2つの規格がある状態で、旧秋田市ガス局は5Aを採用していたが、東部ガスの4Aから13Aへの転換(ただし、御所野ニュータウンのみ、町開きの時点で先行して13Aを最初から導入していた)に併せた統一方針に併せるためのコスト捻出が公営企業として出来なかったことから、東部ガスへの譲渡を決めた経緯がある。譲受された東部ガスによって、市内で2つ(13Aが先行導入された御所野ニュータウンを加味すると3つ)のガス方式が併存し、同一市内の引越等で支障が来すような状況から改善されている(当然、プロパンガスを考慮しない場合)。13Aへの転換・統一で、COを含むガスからの、天然ガス中心の供給への転換が実現した。 前述の通り、1970年代まで日本国内で供給されていた都市ガスの一部には、石炭ガスやナフサを接触分解することで発生する一酸化炭素が含まれていた。その濃度は接触分解のプロセスにより異なるが、およそ0.7~3vol%であった。このため自殺目的で故意にガスを開栓することで、ガス中毒死するケースが見られた。こうした自殺方法は一酸化炭素を全く含まない天然ガスへの転換により過去のものとなったが、自殺手段の一つとして広まったイメージはなかなか払拭できず、本人が中毒死する前にガス爆発を生じさせて近隣に大きな被害を与えるケースが増えた。1978年には東京都内だけでも9件のガス自殺を発端とするガス爆発が発生している。
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