隕石捜索団とは? わかりやすく解説

隕石捜索団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 11:01 UTC 版)

チロ (犬)」の記事における「隕石捜索団」の解説

1977年5月10日藤井と星仲間大野裕明チロ連れて仙台市天文台訪れた特段用事などはなかったが、仙台市天文台長の小坂由須人や仙台の星仲間たち流れ星隕石などについて歓談したのちに帰途についた。このときの藤井たちには、1つ隕石地球めがけて月の距離よりも近い22キロメートルところを秒速20キロメートル速度進んでいることなど、知る由もなかった。 帰り道途中藤井たちは大野の家に立ち寄った。すでに日暮れ過ぎて2130分頃になっていたが、藤井大野チロを車の助手席残して家に上がり込んだ車内残されチロが、急に大声吠え始めたのが2人耳に入ったそのときはたいして気にも留めなかった。ついで大野の母が、「…いまの気味悪い音なんでしょう…」と2人質問した大野はその問いに車のドアをちょっと強め閉めた音だと答えたが、間もなく大火球」についての一報電話寄せられた。そしてその夜は、各地から電話一晩中鳴り続け事態至った。 このときの大火球(1977年小国火球)は、満月よりも明る光度達して人々驚かせた。大火球は東関東から東北地方南部向かって飛び会津若松市付近の上空で数個分裂しながらさらに飛行続けた落下時のドーン」という衝撃音は、福島県中心とした約15,000平方メートル範囲響き渡った藤井目撃者たち数多い証言から、大火球は大気中で燃え尽きず隕石となって落ちた違いない確信した隕石の落下地点さまざまな情報総合して山形県南西端の小国町新潟県北東部関川村の間にある県境山中推定された。 落下した隕石求めて天体専門家天文ファン300人で構成される小国隕石捜索団」が早速結成された。捜索団の「団長」は、多数賛成得てチロ決まったチロ選ばれ理由は、落下推定地点が山奥クマなどに遭遇する危険がある上、かつて隕石落下したとき、「落ちたての隕石は、腐ったような臭いがした」という証言が何件も存在していたためであった理由は他にもあって、捜索団の誰もがチロのことをよく知っていたためでもあった。 隕石捜索団の活動は、降雪のある時期除いて毎週日曜日多く天文ファン参加して3年わたって続けられた。懸命な捜索にもかかわらず隕石行方わからないまま日々過ぎていった。そのため、捜索団の参加者から「本当は、隕石落ちかったんじゃないのか」という意見出始めた。その頃参加者1人通して地元住民から「大正時代天から降ってきたというおむすび大の黒い石」の話が持ち込まれた。住民の話によれば1922年5月30日父親田植えをしている最中に、突然西の空から大きな音と煙に包まれ物体落下してきたという。他の村人驚いて逃げ出したが、父親その物体を素手拾い上げてみたところやけどしそうなほどに熱かった天文学者その物体を確認したところ、まぎれもなく隕石であることが判明した長さ13.4センチメートル重さ1.8キログラムのその隕石は「長井隕石」と命名された。 藤井は早速長井隕石借り出してチロにその臭いを嗅がせてみた。チロクンクン鼻を鳴らして、その臭いを確かめるように嗅ぎ続けた。さらに隕石捜索団の「活躍」を聞いた他の住民が、自宅にある「おかしなかたまり」の鑑定依頼してきた。このかたまり1910年発見されたもので、その話を聞いた老婆が米一俵と交換したものであった捜索団の面々は、この古ぼけたかたまり見てみな首を傾げた。しかし、チロのみがいつまでもその臭いを嗅ぎ続けしまいには鼻先についた小さな鉄片ペロリ飲み込んでしまった。チロただならない様子見た村山は、他の参加者勧めもあってかたまり東京持ち帰って念のため調査することにした。数日後村山からあのかたまりまぎれもない隕鉄だったとの連絡入った重さ10.1キログラムかたまりは「天童隕鉄」と命名され国立科学博物館200万円買い取ることになったチロ率いる隕石捜索団は、大火球の隕石こそ見つけることができなかったものの、今まで学界知られていなかった2個の隕石見つけ出すという大きな成果上げた

※この「隕石捜索団」の解説は、「チロ (犬)」の解説の一部です。
「隕石捜索団」を含む「チロ (犬)」の記事については、「チロ (犬)」の概要を参照ください。

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