隈取の意味とは? わかりやすく解説

隈取の意味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 07:54 UTC 版)

隈取」の記事における「隈取の意味」の解説

隈取初代團十郎人形浄瑠璃人形のかしらにヒント得て創作したものといわれ、顔の血管筋肉誇張するために描かれたもので、役柄により、施される色や形状異なる。 隈取の色は役柄によっておおむね決まっている。「赤色紅色)」は荒事基本である勇気正義強さをもった役に使われ、「藍色」は、スケール大きな敵役使用され、「茶色」は鬼や妖怪といった人間以外不気味な役に使われる隈取の筋は指でぼかして仕上げる。 隈取り形状は、以下の形状役柄が有名である。 むきみ隈 若々しく色気があり正義感あふれた役に用い紅隈簡素な形が貝のむいた身に似ていることから、この名が付いた。『菅原伝授手習鑑』「車引の場」の桜丸、『助六由縁江戸桜』の助六、『寿曽我対面』の曽我五郎などが有名。 一本隈 力強くて頼りになるが、やんちゃな暴れん坊役に用い紅隈縦に一本の隈を取ることから、この名が付いた。あごの下にも、二重あごを示す隈を取る。『菅原伝授手習鑑』「賀の祝」の梅王丸、『国性爺合戦』「千里ヶ竹の場・楼門の場」の和藤内などが有名。 二本隈 落ち着きがあり、堂々として力強い大人の役に用い紅隈二本の隈を跳ね上げるように取ることから、この名が付いた。あごに青で髭を描き目尻や唇の内側へは墨を入れる。『菅原伝授手習鑑』「車引の場」の松王丸、『鳴神』の鳴神上人などが有名。 筋隈 激し怒り満ちた超人的な力を持つ勇者の役に用い紅隈いくつも紅の筋を跳ね上げるように隈を取ることから、この名が付いた。あごに三角形の紅を描き口角へは墨を入れる。『菅原伝授手習鑑』「車引の場」の梅王丸、『暫』の鎌倉権五郎、『押戻』『矢の根』の曽我五郎などが有名。 景清の隈 武勇優れた勇者だが、敵に捕らえられ閉じ込められ青白くやつれてしまった役に用いる隈。特によく使われる景清」という役から、この名が付いた。白い地色に、顔の上半分筋隈と同じ形の紅隈ですが、下半分はで取るところから、半隈とも呼ばれる。『景清』の景清が有名。 公家荒 高い身分持ち、国を転覆させようとするような大悪人の役に用い藍隈冷たく不気味な印象与える。眉を際立たせたり、額に位星という丸い形を墨で入れたりする。『菅原伝授手習鑑』の藤原時平、『暫』の清原武衡などが有名。 赤っ面 大悪人の家来手下で、考えの浅い乱暴者の役に用いる隈。地色を白ではなく赤で塗るところから、この名が付いた。紅でむきみ隈取り、あごの下にも紅で隈を取る。『暫』「腹出し」、『義経千本桜』「川連法眼館の場」の亀井六郎、『菅原伝授手習鑑』「車引」の王丸が有名。 茶隈 人間この世のものではない、妖怪精霊悪霊などへ変身する役に用い茶隈土蜘蛛場合は、やや茶色がかった白地に、付け眉毛をし、口元大きく裂けたように描くことで、不気味な印象強める。『土蜘』の土蜘の精、『茨木』の茨木童子が有名。 猿隈 豪快な武士なのに、滑稽おかしみのある役に用いる隈。動物植物かたどった「戯隈」(=ふざけた隈取)の一つである。眉は「なすび眉」と呼ばれる八の字形である。『寿曽我対面』の小林朝比奈が有名。 鯰隈 悪人なのに間抜けな観客笑わせる役に用いる隈。「景清の隈」と同じように、上半分が紅隈下半分が藍隈という組み合わせとなっている。「戯隈」の一つで、口の周りのような髭から、この名が付いた。『暫』の鹿島入道通称鯰坊主)が有名。 以上のように大体の型はあるものの、隈取役者自分書き入れるものなので、一人一人仕上がりが違う。歌舞伎贔屓中には楽屋絹本持ち込んで役者に隈取写し取ってもらったものを蒐集する者もいる。 また、中国古典劇の京劇にも臉譜(れんぷ)と呼ばれる独特の隈取があり、役柄によって書法種類・色・図案替えるなど、歌舞伎隈取との共通点見られる

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