隆邑の90歳の祝賀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 08:04 UTC 版)
隆邑(松翁)は、歴代藩主の中でも最も長命な人物であり、文政2年(1819年)正月19日には90歳の祝賀が行われた。代々三田藩の家老を務めた澤野氏により明治初期に編纂された「九鬼史」(個人蔵)には、 松翁様九十歳御年賀御祝ニ付隆国公ヨリ白銀拾枚鯣壱折御祝被進之 松翁様ヨリ御寿物トシテ御大小一腰被進其外夫々御寿物被進之 右ニ付家中一統ヘ御祝下賜夫々組合ヲ以御祝物献之 御領下餅被下置 廿五廿六日御能拝見被仰付家中男女出頭ス老公ヨリ御染筆ノ石摺一枚ツゝ下賜 とあり、領民には餅が配られ、2日間にわたり能が演じられ、家中一同の観能が許された。なお、三田藩にかかる記録類において、能・狂言に関する記載は当該条文のみである。また、当該祝賀の実施場所については、藩主である九鬼隆国が文政元年(1818年)5月19日に三田に帰国し、同3年(1820年)3月24日に参府のため三田を出立しているので、三田城陣屋の藩庁、もしくは三田城陣屋郭内の隆邑の隠居所であった御下屋敷の広間か書院で行われたと考えられる。 九鬼松翁により「富貴是長命」と揮毫された長寿を寿ぐ書軸が今日に伝わっている。
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