銭・厘単位の通貨廃止とそれ以降
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「日本の硬貨」の記事における「銭・厘単位の通貨廃止とそれ以降」の解説
1円以下の補助貨幣(一円黄銅貨含む)は戦後小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律により銭・厘単位の法定通貨廃止と共に1953年(昭和28年)末に失効した。また、1931年(昭和6年)12月17日の金貨兌換停止に関する緊急勅令により金兌換が停止されたことに伴い、以降は金本位制が有名無実化していたが、本位金貨も通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律により1988年(昭和63年)3月31日限りで名実ともに失効し、現在は名実ともに管理通貨制度に移行した。 記念貨幣を除く現在有効な硬貨に関する年表を以下に示す。太字は製造発行中の貨種である。 1948年(昭和23年)10月25日:五円黄銅貨(無孔)発行、流通開始。素材は黄銅。図柄は国会議事堂。穴なし。 1949年(昭和24年)9月15日:五円黄銅貨(有孔楷書体)発行、流通開始。中心に穴の空いた形状へ変更。図柄も稲穂と水・歯車に変更。文字は楷書体の旧字体表記。俗に「筆五(フデ五)」と呼ばれるもので、現行のものとは異なる。 1953年(昭和28年)1月5日:十円青銅貨(ギザ有)発行、流通開始。素材は青銅。図柄は平等院鳳凰堂。周囲に溝(ギザ)あり。俗に「ギザ十」と呼ばれるもので、現行のものとは異なる。なお製造開始は1951年(昭和26年)であり昭和26年ならびに昭和27年の表記のものがある。 1955年(昭和30年)6月1日:一円アルミニウム貨流通開始。素材はアルミニウム。図柄は若木。 1955年(昭和30年)9月1日:五十円ニッケル貨(無孔)発行、流通開始。素材はニッケル。図柄は横から見た菊の花1輪。穴なし。 1957年(昭和32年)12月11日:百円銀貨(鳳凰)発行、流通開始。素材は銀合金。図柄は鳳凰。 1959年(昭和34年)2月16日:十円青銅貨(ギザ無)発行、流通開始。周囲の溝(ギザ)がなくなり平滑に変更。図柄は従前から変更なし。 1959年(昭和34年)2月16日:百円銀貨(稲穂)発行、流通開始。図柄が鳳凰から稲穂に変更。 1959年(昭和34年)2月16日:五十円ニッケル貨(有孔)発行、流通開始。中心に穴の空いた形状へ変更。図柄も真上から見た菊の花1輪に変更。 1959年(昭和34年)9月1日:五円黄銅貨(有孔ゴシック体)発行、流通開始。字体が楷書体からゴシック体、旧字体から新字体へ変更。図柄は従前からほぼ変更なし。 1967年(昭和42年)2月1日:百円白銅貨発行、流通開始。素材が銀合金から白銅へ変更。図柄も桜の花3輪に変更。 1967年(昭和42年)2月1日:五十円白銅貨発行、流通開始。素材がニッケルから白銅へ変更。図柄も菊の花3輪に変更。直径縮小。 1982年(昭和57年)4月1日:五百円白銅貨発行、流通開始。素材は白銅。図柄は桐。側面はレタリング。 1988年(昭和63年)4月1日:通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の施行により、従前は臨時補助貨幣として発行されていたこの時点で有効な硬貨は「貨幣とみなす臨時補助貨幣」として引き続き通用力を有することとなった。本法律を根拠に発行される硬貨は「貨幣」と称する。 2000年(平成12年)8月1日:五百円ニッケル黄銅貨発行、流通開始。素材がニッケル黄銅へ変更。偽造防止対策として潜像、周囲の斜めギザ等を採用。従前の図柄を踏襲するも、細部のデザインを変更。 2021年(令和3年)11月1日:五百円バイカラー・クラッド貨発行、流通開始。偽造防止対策として2色3層構造のバイカラー・クラッド貨幣となり、周囲は異形斜めギザに変更。従前の図柄を踏襲するも、細部のデザインを変更。
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