銭1000枚の単位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 16:57 UTC 版)
貫とは本来は大量の銭を携帯するために銭を束ねた道具「銭貫」のことで、材質によって糸貫と木貫が存在した。貫の存在は『史記』(平準書)にも記されている。銭の中央に空いている穴に貫や紐を通して(貫いて)1000枚を1組としておくということがよく行われた(後に行われた短陌の場合は960枚)。魏の李斐が『漢書』の注(武帝紀「算緡銭」)に緡とは糸で銭を貫く事を指し、1貫が1000枚であったことが記しており、この頃には1貫を銭1000枚とする風習が存在していた(ただし、全てがそうであった訳ではない、後述)。その後、遅くても南北朝時代までに所定の銅銭をまとめた銭貫を1種の通貨単位と認め、通貨単位としての「貫」が成立する。北朝北魏では任城王元澄が熙平年間(516年–518年)に銭を使う時は銭繦(銭貫)にまとめて使う物であると上奏文の中に記し(『魏書』食貨志)、南朝蕭梁では鉄銭発行による物価騰貴によって大同年間(535年–546年)には銭を使う時は鉄銭を荷車に載せてただ貫の数だけを数えてやりとりをしたという(『隋書』食貨志)。このため、6世紀前半が通貨単位「貫」の成立期であったと考えられている。ただし、古くは1000枚を1組とする場合の他に100枚を1組にする方法も存在しており、北朝では前者が、南朝では後者が主として行われていた。すなわち、北朝では今日知られる1貫=10陌=1000文(枚)であったが、南朝では1貫=1陌=100文(枚)であった。それが1貫=1000枚に統一されたのは、北朝系の隋による中国統一以後であったと考えられている。
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