設計・建築
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「三重県立熊野古道センター」の記事における「設計・建築」の解説
地元産の尾鷲桧や熊野杉をふんだんに使った熊野古道センターは、建築物としても注目を集めており、建築関係者の訪問も多い。第49回BCS賞(2008年)、日本建築学会作品選奨(2009年)、公共建築賞(2012年)を受賞している。三重県立熊野古道センターの整備は三重県地域振興部が担当し、海の博物館(当時は私立、2017年〔平成29年〕より鳥羽市立)の館長・石原義剛が同部の特別顧問を務めていたことから民間の手法が数多く取り入れられている。そのため建築設計から展示設計まで公募プロポーザル方式を採用し、特注家具の発注にまで入札を導入するなど三重県始まって以来の開かれた施設整備となった。プロポーザルの参加条件を緩くして若手が参加できるようにし、応募作品はすべてインターネットで公開、審査は公開で行われた。 日本最大級の木造建築物であり、木造軸組構法をヒントにした角材とステンレス製リングの組み合わせによる新たな木構造を採用している。これは木と金属のハイブリッドをしたかったというものではなく、無垢材を使った「木造らしい木造」を造りたかったための構法であった。同じ断面の木材を組み合わせた熊野古道センターの構法は「等断面集積木材構法」と命名された。トラスも集成材も使わずに柱間10.5m、軒高6.7mを実現したのは「歴史的木造大空間を凌ぐ空間」と評されている。また、展示棟と交流棟の対称的配置(展示棟から交流棟までの全長は98.6m、両棟の間隔は7.4m)と直線的な造形により、建物の象徴性と力強さを表現している。直線的になっているのは、周囲が棚田で棚田から海へと広がる水平性に協調するためで、山々や木々の垂直性との対比を創出している。 2006年(平成18年)12月18日竣工。総事業費は約21億円であり、電源立地交付金が使用された。総工費は1,153,436,700円である。建築面積は3,366.82m2、延床面積は2,439.69m2である。建築設計は建築研究所アーキヴィジョン(戸尾任宏らが担当)、構造設計は梅沢建築構造研究所(梅沢良三らが担当)、展示棟・交流棟の施工は奥村・東建特定建設工事共同企業体、研究収蔵棟の施工はセルフ舎建設が担当した。 建築に利用した尾鷲桧は環境負荷を軽減するために特定の森でなく広域から少しずつ切り出した。使用された6,549本の尾鷲桧には1本1本に産地証明書が付いている。当初は150mm角の木材を4本束ねる構想であったが、150㎜角の尾鷲桧は樹齢100年以上となり入手が難しいことが判明したため、135mm角という地元で広く流通している木材規格に変更された。135mm角材を活用したことによる日本国産の小中径木材の利用拡大の可能性を示したこと、熊野古道の景観を構成する木を使って熊野古道センターを建設したということが意義深い。柱から梁、壁に至るまで尾鷲桧を用いている。木材の組み上げには、1棟は7日、もう1棟は10日しかかからず、建築設計者を驚かせたという。熊野杉は天井板に用いられ、2,280m2分が使われた。 建物は2014年(平成26年)時点で経年劣化が顕在化してきており、修繕の必要がある。なお、設計段階から部材の交換が容易となるよう構法の単純化が図られている。
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設計・建築
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博物館の建物は1985年(昭和60年)9月に行われた土浦市側が指名した4業者による建築設計競技(設計コンペ)で選ばれたアトリエ・Kが設計したものである。博物館が土浦城跡の亀城公園に隣接することから、土浦城の歴史やたたずまいとの調和を考慮して、石垣・土塀・勾配のある屋根などを取り入れた現代的な城郭をイメージした外観になっている。(したがって土浦城二の丸跡にあるが、二の丸を復元したものではない。)敷地は国道354号に接するが、交通量が多いため国道側に入り口は設けず、国道から市道側に入ったところに入り口を設けている。建築は入札により、地元の山本工務店が担当した。 建物は鉄筋コンクリート構造地上3階・地下1階建てで、敷地面積は1,482.33m2、建築面積は934.213m2、延床面積は2,482.905m2である。
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