設立時の大隈重信の演説とは? わかりやすく解説

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設立時の大隈重信の演説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/19 01:50 UTC 版)

永楽倶楽部」の記事における「設立時の大隈重信の演説」の解説

会長諸君早稲田大学校友会に於て倶楽部設立問題提唱せられたのは十数年前よりのことである。所が中々実現しなかつた。漸く両三年前内幸町小さな倶楽部の形ちだけ出来上つたが頗る貧弱のもののやうであつた。然るに昨年初冬至り早稲田大学と密接の関係ある日生命保険会社好意に依り本社新築と共に三階全部倶楽部的に設計し、之を我早稲田大学交友倶楽部に提供さるることとなり、かやうに広い、美しい、設備の整つた倶楽部出来上がり本日ここに移転式を挙げ兼ねて会員新年宴会を開くに至つたのは、お互い喜び堪へぬ次第である。 抑も倶楽部近代文明進歩と共に欧米発達し社会的に最も必要な機関として汎く利用せらるるに至つたものである現今社会産業に於ても、政治に於ても、又教育に於ても、競争激甚となり、非常な努力活動要するに至つた。然しながら人間の力には自から限りがある。活動の後には必ず休息要する。此休息時間倶楽部に於て費し、疲労した心神慰藉与ふることが必要である。我国には昔から茶屋待合と云ふものがあつて、一種倶楽部のやうな用を為し来つたものであるが、之は大に弊害があるやうである。社会進歩と共に西洋流の倶楽部発達来し茶屋待合と云ふやうな旧式のものは漸次減少するであらうと思ふ日本に於ても昨近文明の進歩と共に倶楽部は日を逐う発達しつつあるのである倶楽部目的は云ふまでもなく可成多数会員包容して、各方面知識網羅し共同精神に基きて各自に其知識交換し談笑裡に娯楽倶にしつつ更に活動要素造る在るのである多数の人が雑然として集つただけでは利益を得ることは出来ない恰も神経系統の如くに之を統一し綜合して組織的に進歩しなくつては何にもならぬ。倶楽部用件は此点に存するのである。かやうに秩序立て組織的に成立つ所の倶楽部は、有意的又無意的に多く人心融和し社会多大利益与ふのである。此倶楽部数年前出来て居て交友多数が常にここに集合して意思疏通を計つて居たならば、或は昨夏事件のやうなことも起こらなかつたかも知れぬ交詢社福澤翁の主唱の下に今より三十年前出来て、其設立当時吾輩相談受けた一人である。此倶楽部は我国に於て比較的に創立の古いだけ、それだけ発達をして居る。御承知通り交詢社慶応中心となつて居るが、此永楽倶楽部も之と同様に早稲田中心として、益々発展せむことを希望する訳である。殊に倶楽部位置頗る宜しい。丸の内帝都中央にして大銀行大会社宏壮な建物集合する所である。即ち我国の政治上、産業上其他百般中心地であり、中央停車場も此倶楽部軒下在る。此点から云ふと此倶楽部は其位置に於て天下第一等である。従て会員諸君が之を利用さるるに最も便利である。願くば校友諸君多数が此倶楽部会員として盛に之を利用し社会の為めに早稲田大学の為めに貢献せられむことを望み併せて倶楽部繁栄発達向上とを祈る次第である。 「早稲田大学記念誌」より

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「設立時の大隈重信の演説」を含む「永楽倶楽部」の記事については、「永楽倶楽部」の概要を参照ください。

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