裁定変更とエラッタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:13 UTC 版)
「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム」の記事における「裁定変更とエラッタ」の解説
裁定変更(カード効果の処理方法の変更)とエラッタ(カードテキスト、能力値などの修正)はTCGにはつきものであるが、このゲームでは旧カードが再発売される時に以前より処理が解りやすいようにテキストが修正されることはあるものの、カードの能力自体が変わるようなエラッタが出される事は非常に希であり、多くの場合は裁定変更のみで済ませられる。その為、緊急の場合を除き公式サイトにもエラッタ告知の項は存在しない。また問い合わせた場合でもどのような裁定を下すかを明確に事務局が決められない場合もある。そのような状態を「調整中」と呼んでいる。調整中のカードを使用する場合はデュエルをする前に当事者同士で、そのカードをどういう扱いにするのかを取り決めるのが望ましい(公認大会の場合は審判員に事前に確認する)。 しかし、同じようなカードテキストの2種類のカードに全く異なった裁定が下されたり、カードテキストからでは絶対に読み取れない裁定がくだされる事もある。また新規に発売されたカードにおいて、既存のカードとのルール上のすり合わせが不十分なこともあり、矛盾した効果の処理を事務局に問い合わせても明確な回答が得られないためゲームの運行に齟齬をきたすこともある。言葉や用語の定義が厳密でないものがあったり表現が曖昧なことがあるというのも、このような混乱の原因の一つである。またこれら裁定の内容は公式サイトなどでは発表されないことがほとんどであり、過去の裁定を確認したい場合は事務局に問い合わせる必要がある。さらに調整中であるカード、特殊裁定の出されたカードに関するのQ&Aは公式ホームページのデータベースに一切掲載されておらず、電話回答でのみユーザーに告知されている。よって何が調整中で何が特殊裁定であるかもプレイヤーが事務局に確認し、覚えなければならない。 2014年3月21日のマスタールール3に制定されてからバランス調整によるテキスト変更されるカードが度々増えていき、同年の7月からステータス変化によるターンの終わりまで続く効果を「エンドフェイズまで」から「ターン終了時まで」と変更され、そのようなカードを読み変えていくようになる。 なお、2015年では禁止カードとなりもう二度と禁止解除されないであろう効果を持ったカードが、エラッタによる弱体化によって禁止解除された例も出ている。現時点でバランス調整のために2度目にエラッタされたカードは「クリッター」、「黒き森のウィッチ」、「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」の3種類。 以下は、特殊な裁定やバランス調整されたカードの一例である。 クリッター、黒き森のウィッチ どこからでも墓地へ送られると発動する効果であったが、フィールドから墓地へ送られた場合のみに変更された。カードテキストに反した特殊裁定であったため、このゲームとしては珍しく再録の際にテキストがエラッタされている。更にパーフェクトブック付録(2016年はクリッター、2017年は黒き森のウィッチ)された際に手札に加えたモンスターはそのターンのターン終了時まで同名のモンスターの効果を発動できない制約効果としてエラッタされた。 イリュージョン・スナッチ スペルスピード1のカードであるが、スペルスピード2のカードにチェーンできる。前述の基本ルールに逆らっているが、事務局電話以外では一切告知されていない。 邪神ドレッド・ルート 効果の処理を最後に行うという特殊ルールが存在するが、このルールについて公式には一切告知されておらず、このルールを知るには事務局に電話確認するしかない。 異次元の偵察機、異次元の生還者 1ターンに何度でも発動する効果であったが、1ターンに1度しか発動しない効果に変更された。カードテキストに反した特殊裁定であるが上記のクリッター、黒き森のウィッチと違い、依然としてテキストのエラッタが行われておらず、このルールを知るには事務局に電話確認するしかない。 メンタルマスター 効果発動コストが「メンタルマスター以外」のサイキック族モンスターへとエラッタされた。このTCGとしては珍しく、公式サイトでエラッタが告知されたカードである。 森の番人グリーン・バブーン、魂の綱 旧式テキストでは「モンスターが破壊された墓地へ送られた時」と記されてダメージステップ時に発動できてしまうと勘違いされるため、ダメージステップ(戦闘破壊時)での効果発動が行えなくなった。裁定変更がVジャンプで広く告知された珍しい例である。後の再録される際に「モンスターが効果で破壊され墓地へ送られた時」としてエラッタされた。 キラー・スネイク 手札コストの使い回しが優れている理由で2000年11月から制限カードに指定され、2005年9月1日から2014年12月31日まで禁止カードに指定された。2015年1月1日からは効果を適用してから相手ターンのエンドフェイズ時に自身のカードを除外する強制効果としてエラッタされた。 ドル・ドラ、D-HERO ディスクガイ 双方とも効果内容は異なっており、「ドル・ドラ」は準制限や制限カードの指定され、「D-HERO ディスクガイ」は2008年9月1日から2018年3月31日まで禁止カードに指定された。どちらも効果を発動できるのはデュエル中に一度のみにエラッタされた。「ドル・ドラ」のエラッタは「森の番人グリーン・バブーン」と同時に告知された。 アーティファクト・モラルタ 対象を「選ぶ」効果であるが、「選択」する効果ではないため対象を取らない効果である。このような単語はルール上は存在せず、テキストから全く読み取れない効果である。後に有料のマスターガイドでは「選ぶ」効果についての解説が掲載されたが、ゲームブックや公式ホームページのルール説明には依然としてこの違いについて記載されていない。後の「LINK VRAINS パック3」に再録されてからの③の効果テキストは「このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。」と効果処理内の「選ぶ」との区分けとして記されており、上記の通り対象を取らないままとなっている。 処刑人-マキュラ 旧式の効果は自身のカードが墓地へ送られた時点で効果が発動し、手札から罠カードを何枚でも発動できた。バランス調整により2005年3月から2020年3月までの長い間禁止カードに指定された。2020年4月から制限カードして復帰し、手札から罠カードを発動できるのは1度のみとしてエラッタされた。 レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン OCG化された当初から除外できるドラゴン族モンスターは裏側守備表示でもできたが、後に1度目は表側表示のみとしてエラッタされた。ドラゴン族の特殊召喚が強みで制限カードに指定され、後に2019年4月から2020年3月まで禁止カードに指定された。2020年から2度目のエラッタとして自身の特殊召喚と手札・墓地のこのカード自身以外のドラゴン族モンスターの特殊召喚の効果はそれぞれ1度づつの変更となった。 ファイアウォール・ドラゴン 「CODE OF THE DUELIST」の収録当初の②の効果は手札から特殊召喚できるモンスターの種族は問わず、1ターンに何度でも発動できた。バランス調整により2019年1月から2020年12月31日まで禁止カードに指定された。2021年1月1日からは②の効果の1ターンに1度のみと特殊召喚できる種族をサイバース族限定、①と②の2体目以上による発動不可能としてエラッタされた。 トゥーン・ワールド 「Pharaoh's Servant」の収録当初は自身のカードの維持コストとしてライフポイント払う処理と払わずに自壊する効果、自身のカードが墓地へ送られた時の維持コスト払ったライフ回復効果が記された。後の「ストラクチャーデッキ・ペガサス・J・クロフォード編」の再録される際に維持コストのライフポイント払った回数の処理が複雑になった理由で削除された形としてエラッタされた。 王家の神殿 旧式テキストでは罠カードをセットしたターンに何枚でも発動できた。2008年からマスタールールに移行し融合デッキの名称をエクストラデッキに改名してからシンクロモンスターとエクシーズモンスターの特殊召喚の可否について事務局では調整中として答えられず、ハード機のゲーム作品のシミュレーション上では融合モンスター以外の上記のモンスターを特殊召喚が可能になっていた。マスタールール移行前の2006年から2015年3月まで禁止カードに指定された。2015年4月からはセットしたターンに発動できる罠カードは1枚のみとエクストラデッキから特殊召喚できるのは融合モンスターのみとしてエラッタされた。 死のデッキ破壊ウイルス 旧式テキストの後者は「このカードが発動してから3ターンの間、相手はドローしたカードが攻撃力1500以上のモンスターの場合は墓地へ送られる」のテキストだった。バランス調整により2009年9月1日から2014年12月31日まで禁止カードとして指定された。2015年1月1日から効果解決時の「相手の攻撃力1500以上のモンスターを3体まで選んで破壊できる」任意効果と「発動したターンのターン終了時まで相手に与える全てのダメージは0になる」といったテキストとしてエラッタされた。 破壊輪 旧式テキストの後者は「お互いにその攻撃力分のダメージを受ける。」のテキストだった。バランス調整により2007年9月から2014年12月31日まで禁止カードに指定された。2015年1月1日からは相手のライフポイントの数値以下の攻撃力を持つ相手の表側表示モンスターの存在の発動条件と、効果ダメージを先に自分がダメージを受けてから相手にダメージを与える効果テキストとしてエラッタされた。 現世と冥界の逆転 バランス調整により2006年3月から2015年3月31日まで禁止カードに指定された。2015年4月1日からはこのカード自身をデュエル中に発動できる枚数を1枚のみと、発動条件の相手の墓地のカードを含める形としてエラッタされた。
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