約100年前の伝説の人物達、及び前作の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 04:12 UTC 版)
「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の記事における「約100年前の伝説の人物達、及び前作の登場人物」の解説
マルグダ王女 本作から約100年前、ダバルプスの圧制下にあった時代のリルガミンの王家の人間。王国をダバルプスから取り戻すべく、高位魔術師となり、アラビク王子と共にダバルプスを打ち倒す。その後、依然行方不明であった「ニルダの杖」を取り戻すべく、怪物の蠢く「ダバルプスの呪いの穴」に単身挑もうとするが、その時「ワードナの迷宮」で己を鍛え上げた者達をはじめとする、腕利きの冒険者がリルガミンに集結し、彼らの活躍で「ニルダの杖」は取り戻される。その中でマルグダ王女は、冒険者の一人と恋に落ちるが、立場の違いから悲恋に終わる。そして救国の英雄である冒険者達を王国騎士として迎え、自らは王位につき彼らと共にリルガミンの復興に尽力し、約100年後、つまり本作で天変地異が多発するようになるまで、リルガミンは繁栄を極める。 アラビク王子 マルグダ王女の弟君で、ダバルプスを打倒すべく剣士として自らを鍛え上げ、「ニルダの杖」と共にリルガミンに伝わる神器、「ダイヤモンドの騎士」の武具を受け継ぐ。「ダイヤモンドの騎士」アラビク王子は、マルグダ王女と共にリルガミンを支配する魔物の軍勢を一掃し、奪われた王の間でダバルプスと壮絶な死闘を繰り広げる。長時間にわたる戦いの末、マルグダ王女がダバルプスの呪文を封じ込めた隙を逃さず、ハースニールの一閃で見事ダバルプスを討ち取る。しかしそれと同時にダバルプスは呪いの言葉を発し、これによって宮殿は崩壊し、アラビク王子は「ダイヤモンドの騎士」の装備と共に地底深くに飲み込まれる。 ダバルプス 約100年前にリルガミンを脅かした魔人。約千年前に失われたはずの超魔法の数々を身につけ、魔界と契約を結ぶ。リルガミン内部で生まれたため、「ニルダの杖」に阻害されることなく台頭する。強大な魔軍をもってリルガミンを席巻して、王家の人間を皆殺しにし、一夜にしてリルガミンの僭王となる。しかし、その時にマルグダ王女とアラビク王子を逃しており、6年後力をつけて戻ってきた彼らに討たれる。アラビクのハースニールで首を飛ばされたのだが、それと同時に呪いの言葉を発して、アラビクは地下の迷宮に飲み込まれる。その呪いで崩壊した宮殿跡には、ダバルプスの首は見つけられなかった。 本作の一連の事件の黒幕。約100年前アラビク王子に落とされた首は、使い魔の大鴉によって「梯子山」に運ばれていた。ダバルプスは首だけでも、わずかながら残った魔力と執念によって生き残り、「梯子山」に住む邪教徒(牙の僧侶)によって祀られていた。邪教徒の狂的で熱烈な信仰によって、ダバルプスは徐々に力を取りもどし、やがて「梯子山」に降り立った「妖獣」の一体に寄生される。本来ならそのまま乗っ取られるところを、ダバルプスはその魔力と精神力で、逆に「妖獣」の正体を読み取り、ダバルプスの知性や魔力を持ったまま、「妖獣」の超再生力を持つ肉体を手に入れる。その時、精神レベルでも「妖獣」と融合し、邪悪な魔人という以前に人間ですらなくなっている。もはやダバルプスにとって人類は、同族「妖獣」が繁栄する為の苗床で、滅ぼすべき先住者でしかなくなっている。 ダバルプスは「妖獣」の気象制御装置と、いまだ配下にある魔界の軍勢をもって、再び人類絶滅を画策するが、本作ではダバルプスの出生や、彼が人類を呪う様になった経緯が語られている。「ニルダの杖」で外部に対して絶対的な防御を持つゆえ、リルガミン内部のみで繁栄を続けていくうちに生じた腐敗が、ダバルプスという魔人を生み出す背景になったことが分かる。実はダバルプスも、アラビクやマルグダと同じく王家の血を引く人間だったが、不義の出生とされたために存在を抹殺され、闇の道を歩むことになる。ジヴラシアたちもまた、そのダバルプスの辛苦と憎悪、怨嗟に塗れた記憶を垣間見ることになる。 最期はジヴラシアたちに大破壊を阻止され、自身も瀕死のダメージを負って飛び去ろうとしたところ、上半身だけ再生したアドリアンに爪を突き立てられ、膨大な負の精気を注ぎ込まれて消滅した。 ハ・キム 前作『隣り合わせの灰と青春』に登場したホビットの忍者。前作で凄惨な死を遂げたが、「ある物」に対する執着から現世と向こうの世界の間というべき空間に留まる。物語中盤にジヴラシアもその空間に行く事になるが、そのジヴラシアを、世界の危機の原因を解き明かすべく、「世界そのもの」に頼まれ、過去の歴史の垣間見ることができる世界に案内する。ジヴラシアに「お前は、気性は先祖よりも、むしろ俺に似通っている」と指摘し、「こだわりには、いい加減で見切りをつけるのを忘れるな」と忠告した。 また、ハ・キムに案内された過去の世界でジヴラシアは、前作の主要登場人物達、スカルダ、サラ、ガディ、ベリアル、シルバー、ラシャ、アルハイムの姿を見る。「ワードナの迷宮」の戦いでは、ジヴラシアの前にスカルダの背中があり、スカルダはワードナに「気」の斬撃を振るう。その後、ベリアルとアルハイムが、ラシャを救うべく呪文を唱えているところで、『隣り合わせの灰と青春』時代の映像は終わる。 最後はジヴラシアとガッシュの決闘の最中、紙一重の決着の刹那の間にジヴラシアに思念で語りかけ、ジヴラシアの中の妄執を断ち切るための忠告をした後、執着していた「ある物」が消滅したこともあってか成仏していった。
※この「約100年前の伝説の人物達、及び前作の登場人物」の解説は、「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の解説の一部です。
「約100年前の伝説の人物達、及び前作の登場人物」を含む「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の記事については、「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の概要を参照ください。
- 約100年前の伝説の人物達、及び前作の登場人物のページへのリンク