簡易な参拝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 01:37 UTC 版)
以下は一般的な参拝の流れである。神社によっては作法が異なることがある。多くの場合、その旨の表示がある。 参拝を行う日は毎月1日と15日がよいとされる。参拝する前に、本来は神の前に向かう前に心身を清める禊が必要である。これは神が「穢れ」を嫌うとされることによるが、現代であれば、一般参拝では入浴・シャワーなどで身体を清潔にしてから参拝する心がけが望ましい。神社に到着し、鳥居や神門をくぐる際は「小揖(身体を15度折り曲げるお辞儀。会釈に相当)」するのが望ましい。このときには脱帽し、服装もきちんと整えるようにする。 次に手水舎にて手水を使い、手口を洗う。これは拍手と神拝詞奏上を行う手口(さらには心)を清める意味合いを持つ、ひとつの禊である。手水の作法としては、 まず、手水舎の前で小揖する。 柄杓を右手で持って水をすくい、その水を左手にかけて清める。 柄杓を左手に持ち替え、右手を洗い清める。 柄杓を再度右手に持ち替え、すくった水を左手に受けて溜め、この水で口をすすぐ。口をすすぐ際には口が直に柄杓に触れないようにする。 これらが終わったあと、使った柄杓を洗い清めるが、このときは水を入れた柄杓を立て、柄に水を流すようにして洗う。柄杓を洗うのには次の人のための配慮という意味合いもある。 洗い終わった柄杓は元の位置に伏せて置き、最後に口と手を拭紙やハンカチなどでぬぐう。 最後にもう一度小揖する。 これらの作法は一連の動作で行うのが好ましい。 なお、巫女の補助がつく場合には、作法は巫女の指示にしたがうようにする。手水を使い終わったら拝礼を行うために参道を通り社殿へと向かう。神前ではまず神への供物として(供物を捧げるほかにお祓いの意味もあるといわれる)賽銭箱に賽銭を奉納する。次に賽銭箱の近くにある鈴鐘を鳴らすが、これには邪気を払う、清らかな音色で神を呼び寄せて参拝に訪れたことを神に告げる、参拝者を敬虔な気持ちにするとともに神霊の発動を願うなどの意味合いがあるとされる。 鈴鐘を鳴らした後に拝礼を行う。拝礼の基本的な作法は、現在は「再拝二拍手一拝」(あるいは「二拝二拍手一拝」「二礼二拍手一礼」)がおもに利用されている。すなわち、 拝(身体を90度折り曲げるお辞儀)を二度行う。 拍手を二度打つ。より具体的には、両手を胸の高さで揃えて合わせ、右手を下方向に少し(指の第一関節ほど)ずらし、その状態で両手を二度打ち合わせて音を出し、ずらした右手を再び揃えて祈念を込め最後に両手を下ろす。 一拝する。 神拝詞を奏上する場合は、再拝→神拝詞奏上→再拝二拍手一拝の順で行う。 というもの。再拝二拍手一拝の前後に深揖(身体を45度折り曲げるお辞儀。最敬礼に相当)を行うとより丁寧である。祈願を行う場合は二拍手と一拝の間に氏名および居住地と願い事を(声に出して、あるいは心の中で)陳べるのが一般的となっている。また、神恩感謝を述べたい場合も同様である。参拝時は、目を閉じることなく目を開けたままが望ましい[要出典]。正式参拝や祈祷などで玉串を捧げる場合は、上記の深揖と再拝の間で、玉串に祈念を込めて根本を神前に向けるようにお供えする。 一部の神社では作法が異なっており、たとえば、出雲大社や宇佐神宮、彌彦神社では「四拍手」である。伊勢神宮や熱田神宮での神事では「八度拝、八開手」となっている。 神への供物 鶴岡八幡宮の供物 供物、アメリカ椿大神社 鏡餅の供え物(明治神宮) 厳島神社に奉納された酒樽。手前に千福が見える。 香取神宮、御田植祭御斎田での供物。香取市。
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