第三者委員会による調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 09:05 UTC 版)
「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」の記事における「第三者委員会による調査」の解説
日本将棋連盟は、10月27日には一転して、但木敬一を委員長とし、永井敏雄、奈良道博を委員とする第三者調査委員会の設置を決めた。第三者委員会は、日本将棋連盟の委嘱を受け、出場停止処分の妥当性、三浦の対局中の行動を調査することになった。 2016年12月26日、第三者委員会は、疑惑について処分の根拠とされていた電子機器を使用した形跡はなく、またソフトとの一致率はその性質上根拠とはなり得ず、不正行為に及んでいた証拠はないと発表した。また、連盟の三浦に対する出場停止処分については、実際に三浦に対する疑惑が強く存在していたことや、竜王戦の開催が迫っており、三浦をそのまま出場させれば大きな混乱を招くことが予想されること、時間的に余裕もなかった点などを考慮して、やむを得なかったと結論を出した。きっかけとなった「久保戦の60手目に於ける30分以上の離席」は存在せず、疑われた指し手のうち一つについても事前研究であった事が判明するとともに、複数の高段位棋士から三浦の指し手として自然だという証言が上がった。これを受け、谷川浩司九段は連盟会長として、三浦九段への疑惑は「7月の関西の報告会での久保利明九段の発言」が発端だった事を公表し、27日に記者会見で謝罪した。 出場停止処分は2016年末までのはずだったが、連盟の独断により2017年1月4日のヤマダ電機「第7回上州将棋祭り」に、出演予定だった三浦は出場しない旨が発表された。 三浦が在籍するA級順位戦においても、年明け以降の対局予定すべてが、対戦相手の不戦勝で、三浦は不戦の扱いとなっている。三浦自身は1勝3敗5不戦の成績だが、出場停止前の三浦に直接対決で勝っており、すでに7勝以上が確定している棋士がいるため、5不戦の分すべてを勝ったとしても6勝3敗となり、もとより名人位の挑戦権は発生していない。 順位戦の救済措置として、次期(第76期順位戦)において三浦はB級1組に降級せずA級に留まるが、休場者がいた場合の張出と同じく11位とされ、A級は例年より1人多い11人(降級3名)とし、またA級からの降級が確定していた森内俊之がフリークラス転出を宣言したこともあり、A級からの降級者がいないB級1組は例年より2名少ない11人(昇級2名、降級1名)で行われることとなった。なお、剥奪された竜王戦の挑戦権に対する補償の内容は明らかにされていない。 第29期竜王戦で防衛を果たした渡辺明は、就位式で「メディアの取材に応じたことで三浦九段、読売新聞社様、将棋ファンの皆様方にご迷惑をおかけしました。申し訳なく思います。」と謝罪した。 その一方、渡辺とは反対に、挑戦者決定三番勝負での対戦相手になった丸山は、不正を疑われた4局の内2局が、第2戦および第3戦で、当事者であり敗退したにも関わらず三浦に対して不正を疑っておらず、疑惑否定派だった。特に丸山は、騒動の発端から終息まで疑惑否定を貫いた一人である。また挑戦者決定戦第2局の観戦記執筆のため盤側で同席していた観戦記者の藤田麻衣子も、三浦の様子について「対局者が席を立つのもいつものことで、自分の手番でもよくあることです」として、特に不自然な点は見られなかったとしている。
※この「第三者委員会による調査」の解説は、「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」の解説の一部です。
「第三者委員会による調査」を含む「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」の記事については、「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」の概要を参照ください。
- 第三者委員会による調査のページへのリンク