称号など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 04:16 UTC 版)
「名誉職」および「名誉称号」も参照 功績をたたえて、なんらかの地位や職を形式的に贈るときに、その地位や職名の上(前)に付ける語(接頭辞)。 功績をたたえたいが、かといって地位を与えたり、本当に職を与えて任にあたらせたりするわけにはいかない場合に、(言葉の上で)あたかもある地位についてもらったかのように、言葉の上で形式的に扱うよう時に、地位名や職名の前に冠する言葉。あくまで形式なので、実質的内容は伴わないことが多い。 例えば「名誉市民」と言えば、ある人物のことを、その市の市政府や市の住民たちが尊敬していたり愛着を感じている、ということを表明するために、あるいは(著名な)人物と関わりのある市だとのイメージを人々から持たれることでPRに役立てたい、などという考えで「名誉市民」の地位を贈る。だが、「名誉市民」はあくまで言葉(形式)であり(でしかなく)、実際には住民票(や本籍)は無く、市民の諸権利は無いし、また市民税なども納めさせられることはない。 職に関しては、「名誉職」や「栄誉職」などと言う。基本的にはあくまで形式的で、実際には職務をほとんどまかされていないこと、全く権限を持っていないこと(あるいはほぼ持っていないこと)が一般的である。 例えば、長年、会長の職を行ってきた人物がいたとする。その人物が次第に高齢化し体力的な面で従来どおりに職務をまっとうすることが困難になったり、次世代の人材も順調に育ってきていて(実力では同じようなものでも、あるいは次世代のほうがまだ若干劣っていても)「組織の健全な新陳代謝」という観点からは世代への交代を行ったほうがよい場合、当人の判断として、あるいは組織全体の判断として、次世代の相対的に若い人に その会長職をまかせたほうが良いという判断になる。だが、次世代の人に会長職に就いてもらい、現会長には辞めてもらうにしても、いきなり現会長を「組織とは無関係の人」にしてしまったり 引退させることになるのは、当人にとっても、周囲の人々にとっても、つらく、寂しく、人間としては心情的に受け入れがたいということが一般的である。そういう場合に「名誉会長」という形式的な地位があることにし、現会長には一旦その「名誉会長」に就任していただいたことにすると、組織的には多方面から見て丸くおさまることになる(「八方まるくおさまる」ことになる、と言う)。こうすれば、その大切な人物が、いきなり組織と無関係になったりせず、仲間のままでいてくれ、実質的には決定権はほぼ無いにしても、フルタイムではなく時々でしかなくても、組織の現役の上層部の人間と交流を続け、もしも組織の現役の上層部が何か判断に迷うことが起きて、以前の幹部からヒントやアドヴァイスを引きだしたいと願った場合は、そうしてもらえる可能性も残しておける。 名誉教授の場合は、「名誉教授」の記事を参照のこと。国ごとに位置づけは若干ことなる。 将棋界の「名誉名人」は、実際には名人になっていないが、名人級の功績のある者に与えられる。 「名誉会員」は、会費納付などの義務も無く、議決権行使の権利なども有しないことが多い。 例えば次のようなものがある。 名誉総裁(日本赤十字社、公益法人など) 名誉騎士(イギリス王室など) 名誉会長(エクアドル政府など) 名誉教授(大学) 名誉学長(大学など) 名誉院長(病院など) 名誉会長(学会、企業など) 名誉フェロー(学会など) 名誉会員(学会など) 名誉社長(日本赤十字社など) 名誉社員(日本赤十字社など) 名誉消防団長(消防団など) 名誉消防団員(消防団など) 名誉会長(企業など) 名誉大使(都道府県など) 名誉市長(市町村など) 名誉市民 など(地方公共団体:付与する団体によって都道府県市区町村それぞれ名称が異なる) 名誉師範(学会など) 名誉博士(大学など。いわゆる名誉学位のひとつ) 名誉国民(国家) 名誉名人(日本将棋連盟など。同様に名誉十段なども存在する) 名誉棋聖(日本棋院。同様に名誉碁聖なども存在する)
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