社会学的側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 19:29 UTC 版)
「ファーリー・ファンダム」の記事における「社会学的側面」の解説
Plante、Reysen、Roberts、Gerbasiらが主導する社会科学者のチーム「国際擬人化研究プロジェクト(International Anthropomorphic Research Project)」では、多くの方法論を用いてファーリー・ファンダムについてのデータを収集している。同チームによつ2016年の出版物では、査読済みのもの・自費出版のものを含む複数の論文が1冊にまとめられている。成人のファーリー・ファンを対象とした同プロジェクトの調査によると、ファーリー・ファンの平均年齢は23歳から27歳であり、全体の75パーセントが25歳以下、88パーセントが30歳以下であることがわかった。未成年については倫理上の理由から調査対象には含まれなかった:4–7。ファーリー・ファンのうち67パーセントの性自認が男性で、23パーセントが女性、10パーセントがノンバイナリーまたはジェンダークィアであった:10。2パーセントが自分をトランスジェンダーとも認識していた:10。83パーセントから90パーセントが自分を白人と認識しており、アジア人(2–4パーセント)黒人(2–3パーセント)ヒスパニック(3パーセント)は少数派であった:7–10。 ファーリーの21パーセントはブロニー(マイリトルポニー〜トモダチは魔法〜のファン)、44パーセントはアニメファンで、11パーセントはスポーツのファンであった:32–33。集団としてのファーリー・ファンはリベラル的思想を持っており、宗教心は低い場合が多い:18。しかし、一部にはネオナチやオルタナ右翼といった論争の多い思想を信条とするものもいる。ファーリーの54パーセントは無神論者ないし不可知論者、23パーセントはキリスト教徒、4パーセントはペイガニズム信者、2パーセントがウイッカ信者、残りはその他の宗教を信仰している:16。成人のファーリーのおよそ70パーセントは大学教育を受けている:12。 ファーリー・ファンが行う普遍的な行動のひとつとして、擬人化キャラクター(ファーソナ)の作成がある。ファーリーの95パーセントが自分のアバターとしてのファーソナを持っている。半数ちかくのファーリーはファーソナを1つしか持っておらず、3~4つ以上のファーソナを持っている人は比較的少ない。ひとつの理由として、多くのファーリー・ファンにとって、ファーソナとは自分の理想の姿を個人的に意味のある形で表現したものであるという事実がある。ファーソナの原型に選ばれる動物として人気なのはオオカミ、キツネ、イヌ、大型ネコ科動物、ドラゴンなどである。データは、個人の性質とファーソナの種には何ら関連性がないことを示唆している:50–74。しかし、ファーリー・ファンはスポーツファンなどと同様、日常においての自分について考えるときと、ファンとしての自分について考えるときとである程度異なる人格的特徴を報告する:129–133。ファーリー・ファンのうち35パーセントは自分が部分的に人間ではないと感じ(非ファーリーの場合は全体の7パーセント)、39パーセントはできることなら人間でいたくないと答えている(非ファーリーの場合は全体の10パーセント):78。 一体性・帰属性はファーリー・ファンダムの中心的なテーマである。アニメやファンタジー、スポーツなどのファンと比べてファーリー・ファンはコミュニティ中の他者と同一視されやすい傾向が大きい。平均すると、ファーリー・ファンの友人の半分はファーリーである:123–133。ファーリーは(対照群である他のコミュニティと比べて)、自分たちの国際感覚、グローバル公民権の感覚、持続可能性についての意識の程度を高く評価しがちである:18。
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