かくりつてき‐えいきょう〔‐エイキヤウ〕【確率的影響】
確率的影響
確率的影響
確率的影響(stochastic effects)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 03:14 UTC 版)
「放射線障害」の記事における「確率的影響(stochastic effects)」の解説
主たる症状:ガン、遺伝的影響 閾線量:存在しないと仮定される(LNT仮説) 主に関係する他分類:臨床医学的分類:身体的影響(ガン)、遺伝的影響、発症時期的分類:晩発影響放射線(主にガンマ線)による、少数の細胞の遺伝子の損傷などを原因とする影響である。 発生メカニズムについては、#DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム) 参照生体細胞であればガン(cancer)、生殖細胞であれば遺伝的影響(hereditary effects)として現れる。 確率的影響は、ひとつの体細胞あるいは生殖細胞が放射線の影響を受けた上で生存し、がん細胞あるいは受精卵となった上で増殖・出生するプロセスの成立・不成立を確率として捉えることから、その影響は確率的である。国際機関などでリスク評価の基礎情報になっている疫学データについては以下のようなものがある。 疫学調査の一覧表調査対象死亡/発症ガン発生部位ガン総数人・年(PY)原爆被爆生存者(日本) 死亡率 全部位 5,936 2,185,335 強直性脊椎炎患者(英国) 死亡率 白血病 36 104,000 X線透視撮影患者(カナダ) 死亡率 乳ガン 482 867,541 X線透視撮影患者(英国・マサチューセッツ) 死亡率 乳ガン 74 30,932 分娩後の乳腺炎患者(米国・ニューヨーク) 発症率 乳ガン 115 45,000 頭部白癬症患者(イスラエル) 発症率 甲状腺ガン 55 712,000 胸部肥大患者(米国・ロチェスター) 発症率 甲状腺ガン 28 138,000 トロトラスト患者(西独、ポルトガル、日本、デンマーク) 死亡率 肝ガン - - 224Ra 投与患者(ドイツ) 死亡率 骨肉腫 - - ラジウム時計文字盤塗装工(米国) 死亡率 骨肉腫 - - ※1ガン総数は放射線被曝による過剰発生数だけではなく、自然発生数も含む。 ※2人・年(PY)は、調査対象者の追跡年数の合計年数の合計を表している。これは、ガンに潜伏期間があるため、調査対象者の人数だけでなく追跡期間も考慮したもので、疫学調査の規模を示すものだと言われる。 ほか、多数の動物実験などにより確率的影響の影響範囲については調べられている。
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