DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 03:14 UTC 版)
「放射線障害」の記事における「DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム)」の解説
詳細は「DNA修復」を参照 細胞内において放射線の直接作用、間接作用が発生した場合、主に問題となるのはDNA鎖の切断(二本鎖切断、単鎖切断)である。DNAはポリヌクレオチドの二重鎖からなっているため、単鎖切断であれば酵素のはたらきによりもう一方のDNA鎖を雛形として正確な修復が可能である。一方、二本鎖切断は修復不能であったり、修復誤りを起こす場合があり、細胞死や突然変異(発ガン、遺伝的影響)の原因となる。 修復が不可能な場合は、アポトーシス(プログラム細胞死とも呼ばれる)を起こせば問題ないが、DNA鎖が損傷したまま細胞が生き残った場合、やはり身体的影響の発ガンまたは遺伝的影響のリスクとなる。 なお、がん細胞はDNA修復機能が低下しているので上記のような修復が充分に行われない。この性質を利用しているのが放射線治療であり、放射線を当てると正常細胞はすぐに生存可能の範囲に修復されるのに対して腫瘍細胞は修復しきれずに細胞が死滅する。
※この「DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム)」の解説は、「放射線障害」の解説の一部です。
「DNAへの影響(確率的影響の発生するメカニズム)」を含む「放射線障害」の記事については、「放射線障害」の概要を参照ください。
- DNAへの影響のページへのリンク