石彫の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/07 04:41 UTC 版)
コツマルワパの石彫の様式の特徴は、骸骨や人体模型のようなレリーフ、球戯や球戯者に関連する図像、アステカにつながる系譜をなすメキシコ中央高原の神々の図像である。まず、アステカの「花と愛の神」として知られるショチピリの原形としての「太陽神」がみられる。ショチピリは、サアグンによって残された「ショチピリの賛歌」によると「球戯場」でとうもろこしの神シンテオトルとして現れる属性をもつとされ、実際に球戯と関連する文脈で石彫に刻まれる。またショチピリは、猿の日の守護神であり、猿が象徴する官能的快楽、罪深い欲望が、ショチピリの快楽、生殖の属性と結びついているものと考えられる。ショチピリの妻であり大地母神であるショチケツァルも、娯楽、生殖、球戯の守護神として刻まれている。そのほか眼球が飛び出し鼻が突き出たグロテスクな形相の「風の神」エエカトル、シペトテック、雨と雷と豊饒の神トラロック、日没後の太陽を表すトラルチトナティウ、「火の老神」と呼ばれるウェウェテオトル、「羽毛の蛇」ケツァルコアトルが石彫に刻まれた。そのほかには、再生のシンボルとしての蛇、大地を表すワニに似た怪物シパクトリ、生殖力のシンボルとしての蟹と猿(e.g.エル・バウル石碑7号)、空、太陽のシンボルとしての鹿、日中の天空であり、太陽そのものと考えられた鷲、同じく太陽のシンボルに伴って表現されるハゲタカ、夜の天空であり、太陽の沈む大地の穴であるジャガーなどの動物も神々と関連付けられて刻まれた。コツマルワパの石彫は、宇宙を象徴する球戯とそれに伴っておこなう人身御供によって、自然のサイクルの永続と豊饒をもたらす神々を支えるというアステカにつながるような宗教観があったと思われる。
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石彫の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/12 21:25 UTC 版)
サン・アグスティン遺跡群の特徴は、なんといってもその独特な石彫に求められる。丸彫りや板状の石を用いた石彫は、ペルーを中心にアンデス地方一帯に影響を及ぼしたチャビン文化の石彫を思わせるようなネコ科動物的な神格をもった半人半獣の牙を生やした怪人像、神官や戦士を表すと見られる人物像、蛇、ワニ、トカゲ、カエル、サンショウウオ、猛禽類を刻んだ石彫が400個体近く確認されている。墓に伴うものは、天井石を支えるような形で主人を囲んで2体の従者のような組み合わせになっている。一方で、石彫の中には4~5mに達する巨大なものもみられる。小さなものと共通する特徴としては、頭部、顔、両手が丁寧に彫られているが下半身は比較的雑に造られているという傾向があることである。石彫の年代ごとの特徴は、三期に区分されると考えられ、前期と呼ばれる時期のものは、線が少なく、中期と呼ばれる時期になって本格的なレリーフの石彫が出現する。後期のものは、見てそれと分かるような特徴のある独特な石彫や石版が出現する。
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