真夏の死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/09 00:38 UTC 版)
『真夏の死』(まなつのし)は、三島由紀夫の短編小説(三島自身はノヴェレット[注釈 1]としている[1])。同作品を収録した短編集にも表題されることが多い(新潮文庫版など)。伊豆の海岸で2人の幼子を失った女性の物語。理不尽な悲劇から主人公がいかなる衝撃を受け、時の経過によって癒やされ、癒えきったのちのおそるべき空虚から、いかにして再び宿命の到来を要請するかという主題から、人間と宿命の関係を描いている[1]。エピグラフには、ボードレールの『人工楽園』の一節が使われている。初の世界旅行(『アポロの杯』参照)から帰国し最初に発表した作品でもある[2][3][注釈 2]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f 「解説」(真夏・文庫 1996, pp. 289–294)。36巻 2003, pp. 202–207に所収
- ^ a b c 「あとがき――『真夏の死』」(『三島由紀夫作品集4』新潮社、1953年11月)。28巻 2003, pp. 110–112に所収
- ^ 「私の遍歴時代」(東京新聞夕刊 1963年1月10日-5月23日号)。『私の遍歴時代』(講談社、1964年4月)、遍歴 1995, pp. 90–151、32巻 2003, pp. 271–323に所収
- ^ a b 「年譜」(昭和42年5月1日)(42巻 2005, pp. 289–290)
- ^ 井上隆史「作品目録――昭和27年」(42巻 2005, pp. 398–401)
- ^ a b c 菅原洋一「真夏の死」(事典 2000, pp. 356–358)
- ^ a b 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
- ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
- ^ 平野謙・大岡昇平・高橋義孝「創作合評」(群像 1952年11月号)。旧事典 1976, pp. 397–398、事典 2000, pp. 356–358
- ^ 小坂部元秀「真夏の死」(旧事典 1976, pp. 397–398)
- ^ a b c d 「第六章 第二幕への前奏曲――『真夏の死』と『沈める滝』――」(野口 1968, pp. 147–164)
- ^ a b c d e 「III 人生の重力のなかで――2『潮騒』と『真夏の死』――生と死の交錯――」(田坂 1977, pp. 161–182)
- ^ 磯田光一「殉教の美学」(文學界 1964年2-4月号)。磯田 1979
- ^ a b c d 西本 1976
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