広島電鉄皆実線とは? わかりやすく解説

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広島電鉄皆実線

(皆実線 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 08:42 UTC 版)

皆実線
比治山下停留場付近を走行する700形電車
(2008年11月)
基本情報
日本
所在地 広島市
起点 的場町停留場
終点 皆実町六丁目停留場
停留所数 7
開業 1944年12月27日 (1944-12-27)
運営者 広島電鉄
路線諸元
路線距離 2.5 km
軌間 1,435 mm (標準軌)
線路数 複線
電化方式 直流600V 架空電車線方式
最高速度 40 km/h
テンプレートを表示
停留場・施設・接続路線
広島電鉄:本線
0.0 H3/M3 的場町停留場
0.5 H4 段原一丁目停留場
0.9 H5 比治山下停留場
1.4 H6 比治山橋停留場
1.7 H7 南区役所前停留場
2.1 H8 皆実町二丁目停留場
2.5 H9/U9 皆実町六丁目停留場
広島電鉄:宇品線紙屋町方面)
広島電鉄:宇品線(広島港(宇品)方面)

皆実線(みなみせん)は、広島県広島市南区的場町停留場皆実町六丁目停留場を結ぶ、広島電鉄軌道路線である。

概要

第二次世界大戦中に広島駅と軍港であった宇品港との間の輸送力強化を目指して建設された路線で、建設のための線路は宮島線を単線化して捻出した。紙屋町・八丁堀地区を経由せず比治山通り・宇品通りを経由して京橋川沿いにショートカットする路線となっている。全線が広島県広島市南区内を走行する。

現在は届出上の正式名称である「皆実線」として案内されるが、かつて比治山線(ひじやません)という路線名を用いていた時期があり[1]、電車の行き先表示は現在も「比治山下経由」と案内されている。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):2.5km
  • 軌間:1435mm
  • 停留場数:7(起終点含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流600V)

運行形態

5号線(広島駅 - 的場町 - 比治山下 - 皆実町六丁目 - 広島港(宇品))の系統のみが運行される。すべての電車が本線および宇品線に直通する(早朝・深夜のみ宇品二丁目停留場での折り返し運行が存在する)。

広島駅・広島港の両停留場では、他の系統と異なり紙屋町を経由しないルートで運行されることから、5号線とそれ以外の系統の乗車ホームが分けられている。また、乗り換え停留場である的場町・皆実町六丁目の両停留場も方向別ホームとなっている。広島駅から宇品線方面へ直行するには紙屋町経由の1号線よりも所要時間が短いため、単独路線ながら重要な役割を果たしている路線である。

運行車両は基本的に単行車両(日中帯については700形800形1000形による運行がほとんどである)であるが、平日の朝・夕ラッシュ時には連接車両も多く運行される。また、超低床車両1000形も2014年2月よりこの路線へ配置された。それまで皆実線内の超低床車両は平日の朝ラッシュ時に5100形が運用に就くのみであり、これにより日中帯でも全線において、超低床車両が運行されることとなった(車両検査などによる離脱時は運行休止となる場合がある)。

当路線への連接車両については1998年より本格的に投入されたが、それ以前には元ドルトムント市電の70形が運用に就いた時期もあった。本格投入時には3950形導入に伴い、宮島線から余剰となった3000形が5編成転入した。

歴史

  • 1944年昭和19年)12月27日:的場町 - 皆実町三丁目(現・皆実町六丁目)間が開業。
  • 1945年(昭和20年)8月6日広島市への原子爆弾投下により被災。
  • 1948年(昭和23年)7月1日:運行を再開。
  • 1971年(昭和46年)12月20日:5号線が朝ラッシュ時をのぞいてワンマン運転開始。
  • 1975年(昭和50年)4月30日:5号線が終日ワンマン運転開始。
  • 1982年(昭和57年)1月30日:的場町停留場の比治山下寄りに渡り線を設置。
  • 1994年(平成6年):ラッシュ時の輸送力増強として連接車両1編成投入。宮島線より元ドルトムント市電70形を転入。
  • 1998年(平成10年):平日朝ラッシュ時に連接車両を本格的に投入。宮島線より3000形5編成転入。
  • 2002年(平成14年)5月1日:平日夕方ラッシュ時の広島駅行きに連接車両を2便投入。
  • 2004年(平成16年) 11月16日:ダイヤ改正実施により、広島駅発の最終便が、宇品二丁目止めから皆実町六丁目止めに短縮される。
  • 2011年(平成23年)
    • 4月11日:ダイヤ改正実施により、日中帯の半数が宇品二丁目折り返し便となる(広島駅 - 広島港間、広島駅 - 宇品二丁目間の交互運行)。
    • 7月11日:再びダイヤ改正を実施し、日中帯は原則として広島駅-広島港間の運行に再編。
  • 2014年(平成26年)2月1日:超低床車両1000形を2編成導入し運用開始(「GREEN MOVER LEX」の1003号・1004号)。
  • 2025年令和7年)8月3日(予定):5号線を駅前大橋ルート(広島駅 - 稲荷町 - 松川町 - 比治山下間)に経路変更。循環ルートへの切り替え工事のため、的場町 - 比治山下間を休止[2]
  • 2026年(令和8年)春(予定):循環ルート運行開始により、的場町 - 比治山下間を再開[2]

今後の予定

2014年平成26年)9月2日 、広島市が「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」を策定し公表した。この中で、本線が広島駅 - 稲荷町間を駅前大橋経由で短絡するルートになり、皆実線についても稲荷町 - 比治山下間で駅前通りを南下して松川町交差点で市道松川宇品線に入り、比治山町交差点間に至るルートに軌道を新設してルート変更し、松川町交差点付近には停留場が新設される計画が示されている[3]。的場町 - 比治山下間の現行路線については、紙屋町東 - 八丁堀 - 稲荷町 - 的場町 - 段原一丁目 - 皆実町六丁目 - 紙屋町東のルートによる環状運転案が示されており、特に運転系統の再編について、広島市と広島電鉄との間で細かな協議を詰めていくことになっている。

停留場一覧

番号 停留場名 駅間
キロ
営業
キロ
接続路線
直通運転区間 本線 広島駅まで
H3 的場町停留場 - 0.0 広島電鉄: 本線 (M3)
H4 段原一丁目停留場 0.5 0.5  
H5 比治山下停留場 0.4 0.9  
H6 比治山橋停留場 0.5 1.4  
H7 南区役所前停留場 0.3 1.7  
H8 皆実町二丁目停留場 0.4 2.1  
H9 皆実町六丁目停留場 0.4 2.5 広島電鉄: 宇品線 (U9)
直通運転区間 宇品線 広島港まで

脚注

  1. ^ 広電/バス&電車ガイド 市内線電車の乗継制度について”. 広島電鉄. 2003年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2003年4月6日閲覧。
  2. ^ a b 広島駅「駅前大橋ルート」 - 広島電鉄、2025年4月25日閲覧。
  3. ^ 広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について』(プレスリリース)広島市、2014年9月2日https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/360/7081.html 

参考文献

  • 『広島電鉄開業80創業50年史』広島電鉄株式会社社史編纂委員会編、1992年11月

関連項目

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