稲荷町停留場とは? わかりやすく解説

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稲荷町停留場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/09 23:40 UTC 版)

稲荷町停留場
広島駅方面ホーム(2009年8月)
いなりまち
Inari-machi
所在地 広島市南区稲荷町・的場町一丁目
駅番号 M02
所属事業者 広島電鉄
駅構造 地上駅
ホーム 3面3線
乗降人員
-統計年度-
1,718人/日
-2024年-
開業年月日 1912年大正元年)11月23日
乗入路線 3 路線
所属路線 本線
キロ程 0.6 km(広島駅起点)
M01 広島駅 (0.6 km)
(0.4 km) 銀山町 M03
所属路線 皆実線
キロ程 0.0 km(稲荷町起点)
(0.2 km) 松川町 H01
所属路線 本線(旧線)
キロ程 0.3 km(的場町起点)
的場町 (0.3 km)
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稲荷町停留場(いなりまちていりゅうじょう、稲荷町電停)は、広島県広島市南区稲荷町および的場町一丁目にある広島電鉄停留場である。駅番号はM02本線皆実線が接続する。

当停留場にて本線広島駅駅前大橋)方面・本線的場町方面(休止中)・皆実線比治山下方面・本線紙屋町方面の線路が十字交差(ダイヤモンドクロッシング)する[1]。このうち休止中の的場町方面は2026年春に再開する予定である[2]

歴史

稲荷町停留場は1912年大正元年)、本線が広島駅前停留場から紙屋町停留場までの区間が開通[5]したのと同日に開設された[6]。ただし停留場の位置は今より100メートルほど西方[7]京橋川を渡る軌道専用橋(当時)の東詰に置かれていて、現在稲荷町停留場が置かれている場所には金屋町停留場(きんやちょうていりゅうじょう[8])という別の停留場が置かれていた[9]。この金屋町停留場は戦時中の1942年(昭和17年)に廃止されている[9]

1945年(昭和20年)8月6日、広島電鉄の市内線は原爆投下で被害を受けたものの、当停留場を含む本線の広島駅前から山口町までの区間は同年10月に復旧を果たした[10]。その後も都市整備は進み、1950年(昭和25年)には軌道専用橋に代わって道路と軌道の併用橋である稲荷大橋が完成、橋上に軌道が移された[9]。このころに稲荷町停留場は現在の位置、つまり金屋町停留場がかつて存在した場所へと移設されている[9]

年表

  • 1912年大正元年)11月23日:本線の開通と同時に開業[6]。今より西にあり、現在の位置には金屋町停留場が開業した[9]
  • 1942年昭和17年)5月:金屋町停留場が廃止[6]
  • 1945年(昭和20年)
  • 1950年(昭和25年)ごろ:現在地に移設[9]
  • 1996年平成8年)10月:駅番号「M4」を付与[12]
  • 2025年令和7年)8月3日:本線の広島駅 - 稲荷町間を駅前大橋経由へ付替、十字の線形となる(的場町方面は営業休止)[2]。同時に駅番号を「M02」へ変更[13]
  • 2026年(令和8年)春:環状ルートの営業開始により、的場町方面の運行を再開(予定)[2]

停留場構造

本線・皆実線ともにほぼすべての区間で道路上に軌道が敷かれた併用軌道であり、当停留場も道路上にホームが置かれている。

下記の乗り場のうち、B・Dホームは2025年8月3日の本線・皆実線ルート変更により新設されたもので、Aホームがそれ以前から使用されていたもの(2025年8月2日以前の「上りホーム」に該当)である[14]

運行系統

当停留場には広島電鉄で運行される系統のうち1号線、2号線、5号線、6号線が乗り入れる。当停留場を経由し本線と皆実線を結ぶのは5号線で、それ以外の系統は本線のみを使用する。

Aホーム 広島駅方面
Bホーム 市役所前方面
広電宮島口方面
広島港方面
江波方面
Dホーム 広島駅方面

2025年8月2日まで

ホームは低床式で上下2面あり、東西方向に伸びる2本の線路を挟みこむように配置されている[7][15]。また上下ホームどうしは稲荷町交差点を挟んで斜向かいに100メートルほど離れていて、交差点の東に広電西広島(己斐)駅方面の下りホームが、西に広島駅方面の上りホームがある[7][15]。前記の通り、下記の「上りホーム」が現行のAホームとなり[14]、「下りホーム」は的場町停留場の循環化工事が完成するまでは利用停止となっている[16][17]

運行系統

下りホーム 広電本社前ゆき、日赤病院前ゆき
広島港ゆき
広電宮島口ゆき、広電西広島ゆき
江波ゆき
上りホーム 広島駅ゆき

利用状況

各年度の「移動等円滑化取組報告書(軌道停留場)」[18]によると、近年の1日平均乗降人員は以下の通りである。

年度 1日平均
乗降人員
2019年(令和 元年) 2,063
2020年(令和02年) 1,380
2021年(令和03年) 1,473
2022年(令和04年) 1,614
2023年(令和05年) 1,747
2024年(令和06年) 1,718

停留場周辺

停留場が置かれている稲荷町交差点の北西には稲生神社が鎮座している[9]。隣の銀山町停留場との間には京橋川が流れ、本線は稲荷大橋にて渡河する[7]

  • 広島ファッションビジネス専門学校
  • 立体駐車場 マイ・パーク京橋
  • ワークピア広島(広島労働会館) - 連合広島など労働組合関係団体が入居する
  • 中国労働金庫本店
  • 金屋町郵便局
  • 広島インテリジェントホテルアネックス
  • かめや旅館
  • 新見旅館
  • ウインズ広島

バス路線

稲荷町電停とバス停

稲荷町電停の周辺には相生通り沿いと駅前通り沿いに「稲荷町」バス停があり、広電バス[19]広島バス[20]が停車する。

稲荷町 バス停(相生通り 西行き 紙屋町・八丁堀方面)
稲荷町 バス停(相生通り 東行き 広島駅方面)
  • 2(広電バス) 府中町方面
  • 3(広電バス) 広島駅方面
  • 4(広電バス) 仁保車庫前向洋新町車庫方面
  • 21 宇品線(広島バス) 向洋大原・洋光台団地方面
  • 22 横川線(広島バス) 広島駅方面
  • 24 吉島線(広島バス) 広島駅方面
  • 25 草津線(広島バス) 広島駅方面
  • 27 中山線(広島バス) 中山踏切戸坂東浄団地方面
  • 40(芸陽バス・広電バス) 大州・向洋方面
稲荷町 バス停(駅前通り 南行き 平塚町方面)
稲荷町 バス停(駅前通り 北行き 広島駅方面)
  • 101 エキまちループ 左回り(広電バス・広島バス) 広島駅方面
  • 50 東西線(広島バス) 広島駅方面

隣の停留場

広島電鉄
本線
快速
広島駅停留場 (M01) → 稲荷町停留場 (M02)八丁堀停留場 (M05)
各駅停車
広島駅停留場 (M01) - 稲荷町停留場 (M02) - 銀山町停留場 (M03)
皆実線
稲荷町停留場 (M02) - 松川町停留場 (H01)
本線(旧線) ※ナンバリングは2025年8月2日時点でのもの
稲荷町停留場 (M4) - 的場町停留場 (M3)

脚注

  1. ^ 広島電鉄 初の「十字クロス」新ルート 稲荷町交差点で試運転 8月の開通に向け慎重に確認 - YouTube(テレビ新広島広島ニュースチャンネル、2025年4月28日)
  2. ^ a b c 広島電鉄株式会社の軌道事業の一部廃止について(路線付け替えに伴うもの) (PDF) - 国土交通省(2025年7月8日)2025年7月29日閲覧。
  3. ^ 『広電が走る街 今昔』45頁
  4. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』43頁
  5. ^ 路線自体は紙屋町より先の櫓下停留場まで竣工していたが、トラブルのため実際に紙屋町より先の区間が開業したのは2週間後のことである[3][4]
  6. ^ a b c d 『広電が走る街 今昔』150-157頁
  7. ^ a b c d 川島令三『山陽・山陰ライン 全線・全駅・全配線』 第7巻 広島エリア、講談社〈【図説】 日本の鉄道〉、2012年、9,75頁。ISBN 978-4-06-295157-9 
  8. ^ 今尾恵介(監修)日本鉄道旅行地図帳』 11 中国四国、新潮社、2009年、37頁。 ISBN 978-4-10-790029-6 
  9. ^ a b c d e f g 『広電が走る街 今昔』26-28頁
  10. ^ 『広島のチンチン電車 市内線と宮島線波乱に富んだ86年のドラマ』郷土出版社、1998年、227-236頁。 ISBN 4-87670-110-5 
  11. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』431頁
  12. ^ 服部重敬『路面電車新時代 LRTへの軌跡』山海堂、2006年5月1日、256頁。 ISBN 4-381-01816-8 
  13. ^ 2025年8月3日(日) 駅前大橋ルート開業に伴う 広電電車ダイヤ改正および停留場の変更について』(プレスリリース)広島電鉄、2025年7月8日、6頁https://www.hiroden.co.jp/topics/2025/pdf/0708_tramdia/tramdia1.pdf2025年7月10日閲覧 
  14. ^ a b R広島駅南口再整備 2025.06(Vol.98)<駅前大橋線編> 新設『稲荷町』に停車するグリーンムーバーなど - AND BUILD HIROSHIMA(2025年7月3日)2025年8月30日閲覧。
  15. ^ a b 川島令三『全国鉄道事情大研究』 中国篇 2、草思社、2009年、103頁。 ISBN 978-4-7942-1711-0 
  16. ^ 路面電車の循環ルートについて (PDF) - 広島市
  17. ^ 広島駅「駅前大橋」ルート - 広島電鉄(「それから」の箇所を参照)
  18. ^ 企業・IR情報:移動等円滑化に関する取り組み - 広島電鉄
  19. ^ バス情報 路線バス 広電バス
  20. ^ 路線バス 広島バス株式会社

参考文献

  • 長船友則『広電が走る街 今昔』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2005年。 ISBN 4-533-05986-4 
  • 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄、2012年。 

関連項目

外部リンク




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