発生しやすい状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 14:02 UTC 版)
航空に伴って発生する疾病状態のことを「航空病」というが、これは航空機の機内の特殊な環境において乗員や乗客が患う病的症状である。高度上昇に伴う減圧や低酸素、動揺、加速度などが原因となって生じるもので、航空機に長時間搭乗している場合などに特に生じやすい。主な症状としては、頭痛、めまい、吐き気、だるさ、記憶力減退、呼吸困難、中耳炎、乗り物酔い、腸内ガス膨満、エコノミークラス症候群などがある。航空病のように乗り物の動揺などによって生じる病的状態を総称して「加速度病」と呼ぶ。 車の場合、乱暴な運転・渋滞・上り勾配・つづら折りの曲がりといった、加速度が強く加わる状況や、過度な暖房のように高温な状況が長時間続いた場合に発生しやすい。また、速度の出し過ぎ・渋滞等は特に注意が必要である。 身体に合わない衣服(特に着物)・帽子・ヘルメット・日本髪の鬘等を長時間着用する場合や、祭りの山車に乗っていても酔う場合がある。 視覚も関わっており、乗り物の中で読書や携帯メール、携帯ゲーム機のプレイなど、眼球の動きを細かくするような行為をすると酔いやすく、逆に窓から遠くを眺めるなどすると酔いにくいが、個人差があり、進行方向を注視していれば酔わないが、横を見るなどして加速度の加わる方向と視線がずれると酔うという場合がある。上記理由により、進行方向を向いて座る座席のほうが酔いにくくなる。 自分自身で運転することで、加速度の加わる方向が予想できる運転手は酔いにくいが、まれに酔う場合もある。 身体が加速度を受けていなくても、視覚的な振動の刺激(振動するビデオカメラで撮影した動画を見るなど)だけでも「酔う」ことがある(映像酔い)。特に上下動や上空の視界の悪さによる効果が大きい。視覚と三半規管の感覚とが不一致を起こすためといわれる。 上記同様、3DCGを利用したシミュレータやコンピュータゲーム、バーチャル・リアリティヘッドセットによって酔うことがある。「3D酔い」「VR酔い」と呼ばれる。 睡眠不足・空腹・食べ過ぎ・酒や乳製品、炭酸飲料の飲み過ぎ・その日の体調などによるところも大きい。 振動では酔いにくい人でも、車中に籠ったタバコなどの独特の匂いや石油の匂いがある場合は乗った直後に酔うことが多い。 バスはリアエンジンの配置が多いため、後ろの席は振動が多くなり前の席より酔いやすい。 気温の高い車内で厚着をするなどにより、いわゆる「のぼせ」が起きていると、そのまま乗り物酔いに変化しやすい。 地震で長時間の揺れが生じ、余震が何度も続くことにより酔うことがあり、「地震酔い」と呼ばれる。
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