三半規管とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 三半規管の意味・解説 

さん‐はんきかん〔‐ハンキクワン〕【三半規管】

読み方:さんはんきかん

円口類以外の脊椎動物内耳にある三つ半環状の管。互いに角に組み合わされており、中がリンパ液満たされ、その動きによって回転方向立体的に知ることができる。平衡感覚つかさどる。→半規管


三半規管

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/10 05:12 UTC 版)

三半規管
図中の9番が前半規管
ヒトの内耳(左半分が三半規管)
英語 Semicircular canal
器官 感覚器
動脈 茎乳突孔動脈
テンプレートを表示

三半規管(さんはんきかん、Semicircular canals)は平衡感覚(回転加速度)を司る器官であり、内耳前庭につながっている、半円形をしたチューブ状の3つの半規管の総称である。名前はその形状と数に由来する。

ヒトを含む脊索動物のほとんどが半規管を3つ持っているため三半規管と呼ばれるが、無顎類においては半規管が2つ(ヤツメウナギ類)ないし1つ(ヌタウナギ類)であるため、「三半規管」という呼称は器官の代表的な名称としては正確ではない。以下はヒトの三半規管についての解説であるが、基本的にほぼ全ての(無顎類以外の)脊索動物に共通である。

構造と機能

3つの半規管、すなわち「前半規管」「後半規管」「外半規管(外側半規管、水平半規管とも)」は、それぞれがおよそ90度の角度で傾いており、X軸・Y軸・Z軸のように三次元的なあらゆる回転運動を感知することができる。なお、前半規管と後半規管は、膨大部でない方の片脚側が接合した総脚となっている。

半規管の外側は骨でできており(骨半規管)、そのすぐ内側に膜がある(膜半規管)。それぞれ内耳の骨迷路・膜迷路の一部を構成している。膜半規管の内部はリンパ液で満たされており、片方の付け根は膨大部となり内部に有毛細胞(感覚細胞)がある。その感覚毛はクプラ(膨大部頂)で結束されている。頭部が回転すると、体内にある三半規管も回転するが、内部の液体であるリンパ液は慣性によって取り残されるため、相対的には「三半規管の内部をリンパ液が流れる」ことになる。そのようにリンパ液が流れるとクプラも動き、それに付随した有毛細胞が刺激されることで、前庭神経からに刺激が送られ、体(頭部)の回転が感知できるしくみである。

回転が続くとリンパ液も一緒に回転してしまうので、体の回転が止まっても今度はリンパ液の回転がすぐには止まらず、誤った信号を脳へ送ることになる(“目が回る”状態)。また、水中では、耳孔内に冷たい水分が流れ込んでくるため、リンパ液の粘性が高まり、回転覚などが掴みにくくなる。その結果、場合によってはパニックに陥って上下の判断がつかなくなり、水面に出るのが困難になる。

機能強化

一般的に三半規管の機能は鍛錬によって強化が可能であると言われているが、それらの意見には論文などの出典が記載されていないことが多く、実際、三半規管の鍛錬による向上を研究した論文などはほとんどない為、その情報の真偽は不明である。 仮にこれを鍛えることができた場合、内耳性の病変であるメニエール病回転性めまい、乗り物酔いなどの症状緩和にも役立つ。三半規管は鍛えることができるとした意見の機能強化の具体的な方法としては、次のようなものが挙げられる。 後ろ向きに歩く、ブランコで揺られる、回転した後に片足で立つ、首を上下前後左右斜めなどへ傾けたまま体を起動させる、マット運動での前転・後転、行く先に対して正面向き・横向き・斜めなど方向を変えて横たわった体勢から起き上がってのダッシュ、などがある。他にも多くの具体策があるが、症状改善が目的であれば病状に応じて無理のない方法で行い、スポーツ選手などにおいては可能であれば回転や各方向からの刺激に対して目を閉じるなど視覚補正が働かない条件の下で行うと、いっそう効果的であるとされている。

関連項目

外部リンク


三半規管

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:06 UTC 版)

「耳」の記事における「三半規管」の解説

三半規管は、それぞれ直交配置され半円弧状前半規管・後半管・外半規管3つの管で構成されそれぞれ途中膨らんだ膨大部という部分がある。膨大部中には有毛細胞感覚毛伸びた膨大部稜(小帽)があり、ここで身体の傾き感じ取る平衡感覚)。

※この「三半規管」の解説は、「耳」の解説の一部です。
「三半規管」を含む「耳」の記事については、「耳」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「三半規管」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「三半規管」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三半規管」の関連用語

1
前庭器官 デジタル大辞泉
72% |||||


3
舞鼠 デジタル大辞泉
56% |||||



6
内耳 デジタル大辞泉
38% |||||

7
内耳神経 デジタル大辞泉
38% |||||

8
前庭 デジタル大辞泉
38% |||||

9
北川冬彦 デジタル大辞泉
38% |||||


三半規管のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三半規管のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三半規管 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの耳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS