犯罪被害者家族の会とは? わかりやすく解説

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池袋駅構内大学生殺人事件

(犯罪被害者家族の会 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 22:38 UTC 版)

池袋駅構内大学生殺人事件
場所 日本東京都豊島区JR池袋駅
日付 1996年平成8年)4月11日23時32分ごろに発生、被害者は同年4月16日に、東京都内の病院意識が戻らないままで死亡した。
概要 21歳の大学生が口論の末、サラリーマンと思しき男に撲殺された。
攻撃手段 頭を強く打つなどの撲殺
攻撃側人数 1人
死亡者 21歳の大学生の男性
犯人 スーツ姿の男性で、2023年現在も逃亡
動機 不明
対処 刑事訴訟法が改正されたために公訴時効のない、長期捜査適用の対象事件となったが、2020年12月、異例の被疑者不詳で書類送検された。
管轄 警視庁池袋警察署
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池袋駅構内大学生殺人事件(いけぶくろえきこうないだいがくせいさつじんじけん)とは、1996年平成8年)4月11日午後11時30分頃に東京都豊島区東日本旅客鉄道(JR東日本)池袋駅構内で発生した殴打による未解決殺人事件。事件現場となった駅名から、単に「池袋駅事件」とも呼ばれるが、警視庁による正式名称は、「JR池袋駅山手線ホーム上立教大生殺人事件」であった。

事件は大勢に目撃されており、現場となった池袋駅には目撃者の証言などを基に作成された容疑者とみられる似顔絵が貼られていた[要出典]

本項では、当事件の遺族が結成した犯罪被害者家族の会(ポエナ)についても扱う。

事件の概要

1996年平成8年)4月11日午後11時30分頃、池袋駅の山手線外回り7・8番線ホームで当時立教大学の学生であった男性(当時21歳)が会社員風の男に絡まれ、顎を殴られ転倒した際に後頭部を強打し、5日後に入院先の病院で死亡、のちに病院側の処置に落ち度があったとして損害賠償請求訴訟を起こし、病院側が約6500万円を支払うことで和解した。男は事件直後、男性を介抱する別の乗客の背後に無言で立っていたが、現場に留まるよう求めた別の乗客を恫喝すると、23時37分発の山手線日暮里駅方面に向かったという。男は同駅までの乗車は目撃されているがそのまま降車したのかも含めて後の足取りは不明となっている[要出典]

目撃者の証言によると、犯人は7・8番線ホームに上がる4番階段の下で、被害者男性に何らかの因縁をつけていたという。被害者男性はいったんホームへ上がっていったが、男につきまとわれ、再び階段を降りようとした。しかし男に捕まってしまい、人混みのホームで口論となり、胸ぐらを掴まれる。二人の後方にいた何者かが「喧嘩はやめたら」と言い、男性が振り返ったところで突然男が胸ぐらを掴んだ手を離し、平手で殴りかかったという。

当初は傷害致死事件として扱われていたが、2002年7月に被害者の父親が3万5000人分の署名と公訴時効延長を求める嘆願書を法務省に提出した。その結果、傷害致死罪の公訴時効(当時7年)成立直前の2003年3月に容疑が殺人罪(当時15年)に切り替えられた。

2010年4月に殺人罪の時効が撤廃されると同時に警察庁捜査特別報奨金制度対象事件となったが、遺族の希望で2012年度より指定を辞退。

遺族両親捜査打ち切りを求めており、警視庁は2020年12月11日殺人容疑について被疑者不詳のまま書類送検した。一方で警視庁は引き続き事件の情報提供を呼び掛け、被疑者が特定されれば逮捕する方針[1]

犯人の特徴と似顔絵の作成

事件は池袋駅の山手線ホーム上で起きたこともあって近くで数十人に目撃されている[要出典]。目撃者の証言により分かっている犯人の特徴は以下の通りである。またこれらの情報などを基に犯人の似顔絵が作成され、現場となった池袋駅などにも貼られている[2]

  • 24歳~38歳、身長は170~180cmでがっしりとした体格。
  • 右の目尻に3つの古傷があり、目つきは据わっている。また、二重あごである。
  • 黒っぽいグレーのスーツを着たサラリーマン風。

似顔絵とよく似た男の目撃

事件から2ヶ月後、被害者男性の父親は北千住駅で似顔絵によく似た男を目撃した。その男は駅前のパチンコ店に入って行った。父親が男の隣に座ると、右目尻に古傷があるのが見えたという。午後10時頃、店を出た男を父親が尾行。男は常磐線の改札口に入ったが、電車に乗る前に公衆電話で「馬鹿野郎!知るかよ!」と怒鳴っていた。男と父親は快速に乗り、千葉県柏駅で降りた。男はそごう寄りの改札口から外に出ると、売店でビールを買ってそこで飲んでいた。そして再び定期券で改札口に入り、我孫子方面のホームに下ったところで、電車の乗客が大勢降りてきたために男を見失っている。柏駅は男が最後に目撃された日暮里駅から常磐線(快速)で5駅目である[要出典]

犯罪被害者家族の会(ポエナ)

犯罪被害者家族の会 Poena
Association of
Crime Victim's Families Poena
設立 2006年4月
種類 市民団体、自助グループ
法的地位 任意団体
目的 犯罪防止および被害者・家族の互助活動、少年触法精神障害者による事件(現行法上の境界領域事件)などの被害者・家族への支援、未解決事件捜査支援および情報提供の呼びかけ[3]
本部 日本東京都台東区池之端(連絡先)[3]
公用語 日本語
重要人物 小林邦三郎(会長)[4]
ウェブサイト 犯罪被害者家族の会 Poena(ポエナ) 公式サイト
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この事件の遺族である被害者の父親は、事件発生から10年となる2006年、他の犯罪被害者の遺族らに参加を呼び掛け、「犯罪被害者家族の会 Poena(ポエナ)」(英語表記:Association of Crime Victim's Families Poena)を発足させた。“ Poena”とは刑罰を与える女神)を意味するラテン語である[4]

殺人事件など凶悪事件の時効の延長を求める活動(アメリカでは第一級殺人罪に公訴時効はない)や、犯人の情報提供を求めることなどが主な活動内容となっている。

2010年4月27日、殺人罪・強盗殺人罪の公訴時効廃止などが盛り込まれた刑事訴訟法並びに刑法の改正案が成立し、即日施行された。この法改正は施行時に公訴時効を迎えていない過去の未解決事件にも適用されることとなったが、同会は他の犯罪被害者遺族団体である全国犯罪被害者の会(あすの会)や殺人事件被害者遺族の会(宙の会)の主張とは異なり、既に時効が進行中の事件に対する時効の延長・廃止の適用が近代刑法の原則である法の不遡及に反する可能性があることから、公訴時効の廃止を要望していたものの遡及適用については一貫して反対している。

この事件の遺族である父親は、2012年度の捜査特別報奨金制度における当事件の指定を辞退している。さらに、2012年4月16日には警察庁を訪れて捜査の終結を要望している。理由について父親は、上述の法の不遡及の問題から「後から法律を変えてよいことになれば、法を守る意識も薄れてしまう。被害者感情が法を歪めてしまうことへの疑問もある」と述べている[5][6]

脚注

  1. ^ 96年池袋駅の立教大生殺害、遺族の意向で事実上の捜査終結 容疑者不詳のまま書類送検”. 東京新聞. 2021年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月16日閲覧。
  2. ^ 似顔絵等の詳細については外部リンクの「JR池袋駅山手線ホーム上立教大生殺人事件:警視庁」を参照
  3. ^ a b 犯罪被害者家族の会 Poena(ポエナ) 公式サイト:ポエナの会について
  4. ^ a b 犯罪被害者家族の会 Poena(ポエナ) 公式サイト:ポエナの紹介(会長あいさつ)
  5. ^ “立教大生殺害:父親が「捜査終結」要望…時効撤廃は不平等”. 毎日新聞. (2012年4月16日). http://mainichi.jp/select/news/20120416k0000e040171000c.html 2012年4月17日閲覧。 [リンク切れ]
  6. ^ 【JR池袋駅立教大生殺人事件】遺族が捜査打ち切りを要望( 犯罪被害者家族の会 活動報告 2012年4月22日掲載)

関連項目

外部リンク


犯罪被害者家族の会(ポエナ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 02:12 UTC 版)

池袋駅構内大学生殺人事件」の記事における「犯罪被害者家族の会(ポエナ)」の解説

この事件遺族である被害者父親は、事件発生から10年となる2006年、他の犯罪被害者遺族らに参加呼び掛け、「犯罪被害者家族の会 Poena(ポエナ)」(英語表記Association of Crime Victim's Families Poena)を発足させた。“ Poena”とは刑罰(罰を与え女神)を意味するラテン語である。 殺人事件など凶悪事件時効延長求め活動アメリカでは第一級殺人罪に公訴時効はない)や、犯人情報提供求めることなどが主な活動内容となっている。 2010年4月27日殺人罪強盗殺人罪の公訴時効廃止などが盛り込まれ刑事訴訟法並びに刑法改正案成立し即日施行された。この法改正施行時公訴時効迎えていない過去未解決事件にも適用されることとなったが、同会は他の犯罪被害者遺族団体である全国犯罪被害者の会あすの会)や殺人事件被害者遺族の会宙の会)の主張とは異なり、既に時効進行中事件対す時効延長廃止適用近代刑法原則である法の不遡及反す可能性があることから、公訴時効の廃止要望していたもの遡及適用については一貫して反対している(日本の刑法では遡及処罰の禁止(事後法禁止)によって法律遡求適用不可なので、公訴時効の廃止についても遡求適用できないという誤った見解もあったが、同改正憲法に反するものではないとの判断示された。(最一小判平成27年12月3日))。 この事件遺族である父親は、2012年度捜査特別報奨金制度における当事件の指定辞退している。さらに、2012年4月16日には警察庁訪れて捜査の終結要望している。理由について父親は、上述法の不遡及問題から「後から法律変えてよいことになれば、法を守る意識薄れてしまう。被害者感情が法を歪めてしまうことへの疑問もある」と述べている。

※この「犯罪被害者家族の会(ポエナ)」の解説は、「池袋駅構内大学生殺人事件」の解説の一部です。
「犯罪被害者家族の会(ポエナ)」を含む「池袋駅構内大学生殺人事件」の記事については、「池袋駅構内大学生殺人事件」の概要を参照ください。

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