演出空間で用いられる差込接続器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 00:32 UTC 版)
「配線用差込接続器」の記事における「演出空間で用いられる差込接続器」の解説
劇場等演出空間電気設備指針、演出空間仮設電気設備指針では、安全性確保の観点から、接地極付の配線用差込接続器を使うよう定められている。したがって、1999年以降に建設、改修された設備については、すべて接地極付のものが使われていることになっている。 施設、業者によっては、これまでの2極のコネクタを接地極付のものに取り替えただけで、接地線を配線していない例もあり、注意が必要である。 JIS C8303-1993(配線用差込接続器)に規定されているもの2極15A 125V 2極接地極付15A 125Vいわゆる平行プラグ・コンセント。ごく小規模な施設で使用されている。大規模設備で使用するものでも、エフェクトマシンのモータ電源、カラーチェンジャの電源等に用いられる。汎用品のため、コストが安い。 コンセント/コードコネクタボディには抜止形が用いられることが多い。 2極引掛形15A 125V 2極接地極付引掛形15A 125V 2極引掛形20A 125V通称はツイスト、ツイストロック 分割型のアッパーホリゾントライトなどの固定設備にもっぱら用いられる。 20Aのものについては、改修で後述のC型20Aに取り替えられることが多い。 3極接地極付引掛形20A 250V三相3線用であり、舞台機構用の動力電源として用いられることが多い。 通称はこれも、ツイスト、ツイストロック JIS C8303-1983に規定されているもの(廃止規格)2極20A 250VいわゆるT型。かつて家庭でもエアコンなど100V 20A用や200V 15A/20A用に多用されていたが、それにより同じ形のコンセントで100Vと200Vが混在してしまったため、電気用品の技術基準の改正により、100Vと200Vの誤接続を防ぐため100V系での使用が禁止され、200V系には接地極が必須となり現在では規格自体が廃止されている。 しかし現在でも多数残っており、ツアーでは旧型の機材(T型)用にミニC→T型への変換ケーブルを持ち回っている事が多い。しかし、感電、漏電事故を起こした場合、過失を問われることになる可能性が高い。 自主規格/民間規格A型 2極30A 125V A型 2極60A 125V(通称ラージA)旧規格。接地極を持たない、逆差しが可能であるため極性が一定しない、電圧側電線が先に接続される可能性があるなどの問題があるため、C型の規格が策定された。 C型 2極接地極付20A 125V(JATET-L-3030-2 演出空間専用差込接続器C型20A)20A 125V 2極引掛形、20A 125/250V 2極(T型)のうち100V系を置き換える規格。 コンセントの外径を、これらと同一にしており、容易に交換できるよう配慮されている。 通称ミニC、20C C型 2極接地極付30A 125V(JATET-L-5040-2 演出空間専用差込接続器C型30A)A型 2極30A 125Vの代替規格。 通称はC型であるが、20A・60Aと区別する必要がある場合、特に30Cということがある。 C型 2極接地極付60A 125V(JATET-L-5050-2 演出空間専用差込接続器C型60A)A型 2極60A 125Vの代替規格。 通称ラージC、60C C型シリーズの特色として、接地極を持ち、逆差しができなくなったほかに、コンセント、コネクタの電圧側極に接点機構が設けられ、必ず電圧側が後に接続されるようになっている点がある。 C型プラグをA型コンセント、コネクタに差すことはできるが、若干隙間ができるため避けたほうがよい。 また、JATET規格になる以前の旧規格のC型は、現規格のものと組み合わせたときに、若干隙間ができることがあるので注意が必要である。 D型 2極20A 250V接地極付(JATET-L-6060-2 演出空間専用差込接続器D型20A)20A 125/250V 2極(T型)のうち200V系を置き換える規格。 コンセントの外径を同一にしており、容易に交換できるよう配慮されている。 単相3線100/200Vの200Vを使用することが前提になっており、L1・L2・EのうちL1・L2の双方に接点機構が設けられている。 C型 4極100A 250V AD型 2極接地極付100A 125VC型をそのまま拡大した形状。10kWソーラーなどで用いられている。 日本国外の規格/国際規格CEEform (IEC 60309-1/2(英語版))多極接続器。日本国内の照明機材ではあまり見られないが、ヨーロッパ発のツアー機材ではよく見られる。ロック機能がついているのが特徴(JATET規格等では、あえてロック機能をつけていない。ただし、初期のC型にはロック機能付のものが存在した)。 演出空間仮設電気設備指針では、照明系統との誤接続を防止するため、音響系統用として挙げられている。しかし、実際はC型を用いることが多い。 通称もそのまま、シーフォーム カムロック(英語版)/カムタイプ (UL498)単極接続器。300A、400Aのものが主に電源配線に用いられる。 パワーリンク・パワーロック (IEC 60309-1)単極接続器。400Aのものが主に電源配線に用いられる。日本国内の照明機材ではあまり見られないが、ヨーロッパ発のツアー機材ではよく見られる。 演出空間仮設電気設備指針では、照明系統との誤接続を防止するため、音響系統電源配線用として挙げられている。しかし、実際はカムロックを用いることも多い。 ソカペックス(19pinマルチコネクタ)(UL1977 : コネクタ規格、USITT RP-1 : ピンアサイン)19極25Aのものが (2P+E)×6として、6回路のマルチコネクタに使われている。 通称はソカペ。 MSコネクタ (MIL-C-5015)26極13Aのものが6P×4+E×2として、54極13Aのものが6P×8+E×6として、マルチコネクタに使われている。主に舞台機構でチェーンホイストの4台、8台駆動に用いる。アナログ(パラレル)調光信号用にも使われる。 3極接地極付引掛形 20A 480V三相3線用であり、舞台機構用の動力電源として用いられることが多い。 通称はこれも、ツイスト、ツイストロック
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