沿岸警備隊の創設と発展
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「ジョージア沿岸警備隊」の記事における「沿岸警備隊の創設と発展」の解説
今日のジョージア沿岸警備隊の創設は、1998年に始まった。ジョージア国境法が1998年に可決すると、大統領府の直下に置かれていたジョージア国境防衛局の内部部局として、沿岸警備隊の設置が決定した。また同時に、第1旅団がポティに、第2旅団がバトゥミに設置された。指揮構造により、これらの舞台は国境警備の軍事的存在となった。なお明確な海事経験はなく、補助的なものに留まった。 1998年7月16日、ジョージア国境防衛局の第1海上師団が、ジョージアの海上国境の巡回警備を開始した。船舶はウクライナとトルコから寄付されたものが使用され、堪航性はまちまちであった。この日にちなんで、毎年7月16日は「ジョージア沿岸警備の日」として祝われている。 ジョージア沿岸警備隊は発足直後から、アメリカ沿岸警備隊の協力を得てアメリカ税関局が管理する「ジョージア国境安全および法律強化援助プログラム」の支援を受け、沿岸警備隊の発展が進められた。1997年からはジョージアの海事職員はアメリカの技官訓練施設や士官訓練施設での教育プログラムに参加し始めた。 1998年、アメリカ沿岸警備隊は長期訓練チームをジョージアに派遣し、ポティを拠点として活動を開始した。長期訓練チームは5年間にわたってジョージア沿岸警備隊の訓練・教育を行い、インフラ設備のメンテナンス等を指導した。またシー・アーク40フィート型の哨戒艇2隻とポイント級カッター(英語版)2隻がジョージアに移送された。ポイント級カッターのうちポイント・カウンテス(英語版)は2000年に到着し、ツォトネ・ダディアニ (P210) と改名された。もう1隻のポイント・ベイカー(英語版)は2002年に到着し、ジェネラリ・マズニアシヴィリ (P211) となった。これら2隻のポイント級カッターは、ジョージア沿岸警備隊の艦隊の主力となった。そしてジョージアが新たな艦艇の建造技術を手に入れるまでの技術の橋渡し役となり、ジョージアはその後2007年と2008年に新しい艦艇を建造した。 アメリカによるインフラ支援プロジェクトとしては、第一弾として、1999年にスプサ(英語版)の石油パイプライン終点に監視レーダーステーションが完成した。2002年には2基目の沿岸レーダーがポティで稼働を開始した。これにより南部地域をスプサとポティの2カ所でオーバーラップすることで、アブハジア地域からアジャリア地域までの領海の監視が可能となった。 ただし内部的には、海上師団は資金不足で見通しが立たない状況であり、単に国境警備隊という組織の中の一部門の役割に挑んでいるに過ぎなかった。2002年、この状況を打破するために、アメリカをモデルとする改革プロセスが開始された。この改革プロセスは、海上の国境を管理する義務の重要戦を認識させ、能力を向上させることにより、沿岸警備隊に対する職業上の処遇の平等性を確立し、組織の効率を高めることを目的とした。そしてジョージアのラマジ・パピゼ少佐が中心となり、「ジョージア国境安全および法律強化援助プログラム」の海事顧問の支援のもと、アメリカの組織モデルを規範とした機能的な沿岸警備隊の組織づくりを進めた。脅威、任務、戦術、現在および将来の資源に基づいて計画を策定し、パピゼは沿岸警備隊の部門内において、ジョージア国境防衛局と同等の組織構造を作り出した。すなわち、管理部門が資源を管理し、任務にかかる十分な独立した予算を持ち、そして任務の遂行に対して自立した責任を担う構造である。革新的で将来を見据えたこの提案には、ジョージアの法律、文化、伝統の必要性が内包されており、明瞭なジョージアの組織モデルとなった。そして2003年4月、ジョージア国境防衛局の内部に、沿岸警備隊の本部が設置された。これは、それまでのジョージアの軍事組織における最も大きな改革であり、沿岸警備隊のプロフェッショナル化と、任務の成功を高めることにつながった。本部設置後、間もなくダヴィト・グルア少将がジョージア沿岸警備隊の初代本部長に任命され、同時にジョージア国境防衛局の副局長としての職務も継続した。 2005年、ジョージア国境防衛局は、沿岸警備隊の地位と機能の大幅な増加により、ジョージア内務省の下部機関となった。2006年12月、内務省ジョージア国境防衛局は法執行機関となり、ジョージア国境警察となった。これに伴い、関連する変更が沿岸警備隊でも行われた。
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