江戸に出るとは? わかりやすく解説

江戸に出る

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 03:54 UTC 版)

福澤諭吉」の記事における「江戸に出る」の解説

幕末時勢の中、無役旗本石高わずか40石の勝安房守(号は海舟)らが登用されたことで、安政5年1858年)、諭吉にも中津藩から江戸出府命じられる差出人江戸居留守役の岡見清熙)。江戸中津藩邸に開かれていた蘭学塾講師となるために古川正雄当時の名は岡本周吉、のちに古川節蔵)・原田磊蔵伴い江戸へ出る。築地鉄砲洲にあった奥平家中屋敷住み込み、そこで蘭学教えた。まもなく足立寛村田蔵六の「鳩居堂」から移ってきた佐倉藩沼崎巳之介・沼崎済介が入塾し、この蘭学塾「一小家塾」がのちの学校法人慶應義塾基礎となったため、この年慶應義塾創立の年とされている。 元来、この蘭学塾佐久間象山象山書院から受けた影響大きくマシュー・ペリー渡来先んじて嘉永3年1850年)ごろからすで藩士たちが象山について洋式砲術教授を受け、月に5〜6回も出張してもらって学ぶものも数十名に及んでいる。藩士中にも島津文三郎のように象山から直伝免許受けた優秀な者がおり、その後杉亨二はのちに勝海舟にも通じて氷解塾の塾頭務める)、薩摩藩士の松木弘安招聘していた。諭吉講師就任してからは、藤本元岱・神尾格・藤野貞司・前野良伯らが適塾から移ってきたほか、諭吉の前の適塾塾頭松下元芳入門するなどしている。岡見大変な蔵書であったため佐久間象山貴重な洋書を、諭吉片っ端から読んで講義にも生かした住まい中津藩中屋敷与えられたほか、江戸扶持地方勤務手当)として6人扶持別途支給されている。 島村鼎甫尋ねたあと、中津屋敷からは当時蘭学総本山といわれ、幕府奥医師の中で唯一蘭方認められていた桂川家が500m以内の場所であったため、桂川甫周神田孝平箕作秋坪柳川春三大槻磐渓宇都宮三郎村田蔵六とともに出入りし終生深い信頼関係を築くことになったまた、親友高橋順益が近く住みたいと言って浜御殿(現・浜離宮)の西に位置する源助町に転居してきた。 安政6年1859年)、日米修好通商条約により新たな外国人居留地となった横浜諭吉出かけることにした。自分の身につけたオランダ語相手外国人通じかどうか試してみるためである。ところが、そこで使われていたのはもっぱら英語であった諭吉苦労して学んだオランダ語はそこではまった通じず、看板文字すら読めなかった。これに大きな衝撃受けた諭吉は、それ以来、英語の必要性痛感した世界覇権大英帝国握っており、すでにオランダに昔日面影がないことは当時蘭学者の間では常識であった緒方洪庵これからの時代は英語やドイツ語を学ばなければならないという認識持っていた。しかし、当時日本ではオランダだけが鎖国唯一の例外の国であり、現実にはオランダ語以外の本を入手するのは困難だった諭吉は、幕府通辞森山栄之助訪問して英学学んだあと、蕃書調所入所したが「英蘭辞書」は持ち出し禁止だったために1日退所している。次いで神田孝平一緒に学ぼうとするが、神田蘭学から英学転向することに躊躇見せており、今まで同じよう蘭学のみを学習することを望んだ。そこで村田蔵六相談してみたが大村ヘボン手ほどき受けようとしていた。諭吉はようやく蕃書調所原田敬策(岡山藩士、のちの幕臣)と一緒に英書読もうということになり、英蘭対訳発音付き英蘭辞書など手に入れて蘭学だけではなく英学・英語も独学勉強していくことにした。

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