残されたぬいぐるみの都市伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 05:39 UTC 版)
「ロンパールーム」の記事における「残されたぬいぐるみの都市伝説」の解説
この番組にはとある都市伝説がある。先生からゲームとして「『き』で始まるものの名前を答えて下さい」と言われた幼児の1人が、「きんたま」と口にして、先生が「もっときれいなもので答えてね」と言ったところ、今度は「きれいなきんたま」と答えた。そこで番組は「しばらくお待ち下さい」と放送が中断し、再開されるとその幼児が座っていた場所にはクマのぬいぐるみが置かれていて、この幼児はいなくなっていた、というものである。生放送中の出来事とされる。 いつ頃から流布している話なのかは正確には不明だが、1982年には作家の落合恵子が友人から聞いた「あるテレビ局の子ども番組での出来事」として、「きれいなきんたま」と発言したという部分までを雑誌で紹介している。同じく1982年に漫画家のささやななえは、夫の知り合いのさらに友人から伝わった話として、児童の「きれいなキンタマ」発言から放送中断を経て熊のぬいぐるみが置かれていたという一連の流れを実際にあったこととして雑誌エッセイで紹介している。1990年には武蔵野音楽大学講師の行方均がある学生からこの話を聞いたとして都市伝説の翻訳本に記している。いずれも『ロンパールーム』と断定しておらず、落合は「あるテレビ局の子ども番組」、ささやは「『おかあさんと一緒(原文ママ)』か『ロンパールーム』か知らないが」、行方は「あるテレビの公開子供番組――『ロンパールーム』という説が多い」としている。 2002年12月29日放送の『さんまのSUPERからくりTV』(TBS)で、「キンタマ」という単語を連発する司会の明石家さんまに、番組回答者でロンパールーム2代目先生のうつみ宮土理が「そういう子がロンパールームにいたのよ。言うことを聞かなくてうるさいから出て行ってもらったの」と発言した。それに対してさんまは「で、コマーシャルが終わったらその子の席にぬいぐるみが置かれていたんでしょ」と聞き返し、うつみは「そう」と肯定した。 2005年4月28日放送の『ビーバップ!ハイヒール』(朝日放送、関西ローカル)も検証コーナーとして特集を組み、うつみにこの件について確認したところ、うつみが実際に起きた出来事であると証言する模様が流れた。この時にうつみは、「自分が番組を担当していた時(1966年から1969年までの間)に実際に起こった」、「収録はVTRだったが、当時はVTR編集には時間もお金も掛かり、ドラマなどを別にすると編集をしないで放送するいわゆる「撮って出し」が普通であり、この時も多少問題にはなったのだが、結局、そのまま放送することになった」、「当時は、VTRは非常に高価だったため、VTRの使い回しが普通だったので、その回のVTRはおそらく現存しないはず」と証言した。非常に時間を取った詳細な証言であった。 うつみ宮土理の公式YouTubeチャンネル「うつみ宮土理公式 けろちゅうぶ」でもこれは事実であるとしている。2021年8月5日公開の動画「【放送事故】クマのぬいぐるみ事件の真相を語ります【ロンパールーム】【都市伝説】」で、「男の子は端っこに座っていた」「男の子のお母さんは着物を着ていた」「男の子は半ズボンにブレザーを着て髪を七三に分けていた」などの詳細な状況を述べている。そして「後年、週刊朝日の取材で中学生くらいになった男の子と再会した」「名前は忘れたが、(2021年)現在のその子に会いたい」とも述べている。 また、2005年9月21日放送の『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ)の「テレフォンショッキング」にて、ある観客が「番組が年内終了するのか?」とタモリに繰り返し質問したことからスタッフにつまみ出され、CMの後、その席には実際にクマのぬいぐるみが置かれていた(後に、その観客には了承を得た上で退席してもらい、スタッフが急遽ぬいぐるみを用意したと説明された)。番組が違うとはいえ、都市伝説が現実化した例と言える。これ以外に、漫画『かってに改蔵』(単行本第11巻)、『GTO SHONAN 14DAYS』(単行本1巻)、『喧嘩商売』(単行本16巻)でも生放送の番組で問題発言をしたキャラが、番組途中でぬいぐるみと入れ替わるというパロディが描かれたことがある。 このほかにも1987年のミスタードーナツのCMでは、所ジョージの「(販促品の)お弁当箱欲しい人」という子供たちへの問いかけに対して、1人だけ「要らん」と絶叫した子供がスタッフにつまみ出され(その間、「このまましばらくお待ちください」というフリップが掲げられるが、演出上の掲出なので後ろで一部始終が見える)、代わりに信楽焼の狸が置かれたうえで再度問い掛けなおすという、この事件とよく似たモチーフのストーリーが描かれたことがある。 なお、番組に出演中の幼児が暴言や卑猥なセリフを言ってしまったために番組が中断されてしまうという都市伝説は、日本のみならず世界各地で知られており、例えばジャン・ハロルド・ブルンヴァンは「道化師ボーゾー」や「アンクル・ハウディ」といった番組の例をあげている。
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