横須賀配備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:43 UTC 版)
「ジョージ・ワシントン (空母)」の記事における「横須賀配備」の解説
2008年4月7日、ジョージ・ワシントンは第17空母航空団 (Carrier Air Wing 17, CVW-17) および第8空母打撃群 (Carrier Strike Group 8, CSG-8) と共にノーフォークを出航し、南米を回ってキティホーク (USS Kitty Hawk, CV-63) とその任務を交代するため横須賀基地に向かった。 この巡航中、ジョージ・ワシントンの戦闘集団はアメリカ南方軍による同盟諸国との演習に参加した。アメリカ海軍はブラジル海軍およびアルゼンチン海軍との共同作戦を実施した。4月22日、ブラジルのリオデジャネイロを初めて訪問した。 ジョージ・ワシントンがキティホークと任務を交代すると共に、第17空母航空団と第8空母打撃群は本国に帰還、厚木海軍飛行場を拠点とする第5空母航空団と横須賀を拠点とする第5空母打撃群がその任を引き継ぐ。ジョージ・ワシントンはアメリカ国外の基地を母港とする初の原子力空母となった。アメリカ海軍は日本国民に対してその任務を説明するために、「CVN-73」と題されたマンガ冊子を発行した。 2008年5月22日の午前8時前、中南米を航行中にエアコンや冷蔵施設、予備ボイラー室がある船尾の一角で火災が発生、1名がやけどを負い23名が長時間の消火作業により熱中症となった。原子炉の安全性には問題は無く、数時間後に乗組員によって鎮火された。ジョージ・ワシントンは5月27日にサンディエゴに入港、火災による損害の評価が行われた。原因は、適切な管理が為されていなかった油脂類にタバコの火が引火したものであり、ケーブル類に延焼したため鎮火に手間取ったとされている。7月30日には、この火災の監督責任を問い、艦長であったダイコフ大佐が更迭された。 この火災事故の影響により当初6月上旬のハワイにおけるキティホークとの交代式の実施、7月末までのハワイ沖における環太平洋合同演習(リムパック2008)への参加、8月19日に横須賀入港・配備予定が延期となった。 修理を終えたジョージ・ワシントンは8月21日(現地時間)にサンディエゴを出港し、キティホークとの交代式のためハワイに向かった。第7艦隊に編入され、9月25日横須賀基地に入港し、同基地を事実上の母港として配備された。 ジョージ・ワシントンは2009年1月~5月にかけてアメリカ本土外で初めて原子力空母の大規模定期修理(SRA:Selected Restricted Availability)を実施した。この修理には飛行甲板の射出カタパルト整備や原子炉関連部分の修理も含まれていたが、横須賀の修理部門が原子炉関連部分の修理権限(能力)を持っていなかったため、アメリカ本土から修理資格を持つ技術者多数を数ヶ月に渡って横須賀に派遣するという方法が採られた。 2011年3月11日の東日本大震災発生時はSRA(定期修理)中であったが、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染を恐れ、3月21日に修理を切り上げて母港の横須賀港から出港した。回航中も修理を継続し、4月5日・12日には整備員の交代及び物資積載(修理中のため飛行甲板への航空機発着不可)のため佐世保港へ寄港した。母港へ帰港したのは4月20日になってからであり、帰港後もしばらく修理は継続された。修理中だったこともあって東日本大震災に対するトモダチ作戦にはジョージ・ワシントンは参加していないが、配下の空母打撃群から艦艇が参加している。 2012年9月11日から19日までグアム島近海で実施した統合軍事演習「バリアント・シールド2012」に参加してその後に中東方面に展開するため母港のサンディエゴを出港したジョン・C・ステニスの空母部隊とジョージ・ワシントンの空母部隊が西太平洋上で合流し警戒監視任務に当たっている。 2013年11月8日、11月11日にフィリピン中部をおそった台風30号の被害に対し、アメリカ政府は定期パトロール航海で香港に寄港中であったジョージ・ワシントンを中心とした空母打撃群に被災地に急行し救援活動の支援を命じ出港、14日には現着し活動を開始した。後日、その他アメリカ軍のこの被災に対する一連の活動を「ダマヤン作戦(Operation Damayan)」(ダマヤン=タガログ語で相互)と呼ぶことを決定し、ジョージ・ワシントンは22日まで作戦活動し、その後、揚陸艦などに同作戦を引き継ぎ沖縄近海での日米合同演習に参加後、12月5日に母港へ帰港した。 2014年1月14日、アメリカ海軍は横須賀港に配備されているジョージ・ワシントンを点検および燃料棒交換(RCOH:Refueling and Complex OverHaul)のためバージニア州ニューポート・ニューズ造船所に移動し、代替として原子力空母ロナルド・レーガンを充てる配置転換計画を発表した。 2015年5月18日、ジョージ・ワシントンは日本での任務を終えて離日した。ロナルド・レーガンは10月2日から配備される予定だったが、天候の悪化を避けるため横須賀基地への到着を1日早め、10月1日に入港した。
※この「横須賀配備」の解説は、「ジョージ・ワシントン (空母)」の解説の一部です。
「横須賀配備」を含む「ジョージ・ワシントン (空母)」の記事については、「ジョージ・ワシントン (空母)」の概要を参照ください。
- 横須賀配備のページへのリンク