東ドイツの映画とは? わかりやすく解説

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東ドイツの映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:27 UTC 版)

ドイツの映画」の記事における「東ドイツの映画」の解説

東ドイツ領には、当時ソ連占領地区残っていたウーファスタジオなど映画産業に関する基盤があり、西ドイツ比べると、映画製作順調なスタートを切ることが出来たソ連関係者は、映画産業を再び振興させることに熱心であり、ドイツ降伏のわずか3週間後の1945年5月にはベルリン映画館再開するように命じた1946年5月製作会社DEFA」が設立され1945年10月ソ連軍占領当局によって押収されていた映画関連施設引き継ぐことになる。名目上株式会社であったが、DEFA大半ドイツ民主共和国 (GDR) の第一党となっていたドイツ社会主義統一党 (SED)が持っており、社会主義称揚し非ナチ化推し進めるという目的があった。 DEFAは約900本の長編映画、約800本のアニメ映画3000本以上のドキュメンタリー映画短編映画製作したDEFA初期において、映画製作厳し監視下に置かれその内容社会主義推進するようなものに制限されていた。ニュース映画教育映画除き1948年から1953年の間に50本の映画しか撮影されなかった。しかし、次第様々なジャンル映画多く製作されるようになっていく。DEFAは特に『Drei Haselnüsse für Aschenbrödel (シンデレラ/魔法の木の実)』(1973)といった子供向けファンタジー映画特徴としたが、他にも『金星ロケット発進す』(1960)といったSF映画スタニスワフ・レム小説脚色した西部劇アメリカ西部劇違いネイティブ・アメリカン主人公)『The Sons of the Great Mother Bear』(1966)なども製作した。こういった作品ワルシャワ条約機構属するほかの国と共同制作されることとも多かった。 他にDEFA製作の映画としてはハインリヒ・マン原作ヴォルフガング・シュタウテ監督の『臣民』(1951)、クリスタ・ヴォルフ小説映画化作品フランク・バイヤーがユーレク・ベッカー作品映画化した嘘つきヤコブ』(1973)、東ドイツ映画として唯一オスカーノミネートされた『パウルとパウラの伝説』(1973)などがある。 ドイツ民主共和国において、映画産業は常に国の政情左右されていた。例え1950年代ヴァイマール時代共産主義指導者エルンスト・テールマンはいくつかの映画聖人のような扱いをされたが、1960年代になって映画製作者たちはあからさまなスターリニズムアプローチからは次第離れていった。しかし、彼らがドイツ社会主義統一党政治家たちの気まぐれ振り回されることに変わりはなかった。 1970年代後半、アンゲーリカ・ドムレーゼ、エヴァ=マリア・ハーゲン、カタリナ・タルバッハ、ヒルマール・ターテ、アーミン・ミューラー=スタールなど、多く映画人仕事上の制約嫌って西に逃れたドイツ民主共和国後期外国映画配給広がっていき、結果としてDEFA重要性薄れていった。ドイツ再統一続き1992年DEFA国有資産民有化を進め信託組織「Treuhand」に売却され映画アーカイブなどの知的資産非営利団体である DEFA-Stiftungに引き継がれその後プログレスフィルムProgress Film)が配布ディジタル化などを行なっている。

※この「東ドイツの映画」の解説は、「ドイツの映画」の解説の一部です。
「東ドイツの映画」を含む「ドイツの映画」の記事については、「ドイツの映画」の概要を参照ください。

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