未病
英語:ahead sick
症状が出ていないものの、病気の原因が体内にあり、放置しておくといずれ発症するという状態。まだ病気ではないが、いずれ病気になる、心身や健康の状態。
日本未病研究学会は未病について「病気が発症していない予備群」と補足している。健康から病気へ移行する中間の状態であるといえる。
未病は東洋医学における考え方で、中国に現存する最古の医学書とされる『黄帝内経』の中にも「未病」についての言及がある。
現代では、健康診断などの検査結果では特に異常は見つからないが、身体に不調の自覚症状がある状況、を指すことが多い。実際に病気となるまで放置せずに、不調を感じたら早めにケアすることが重要とされる。
関連サイト:
日本未病研究学会
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み‐びょう〔‐ビヤウ〕【未病】
未病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:00 UTC 版)
伝統中国医学(中医)で「未病」と診断されるのは、検査で明らかな異常がなく、明らかな症状も無いが、少し調子の悪い状態で、病気になる前段階の、心身の微妙な変化を指している。漢文訓読調でいえば「いまだやまいにあらざる」となる。「未病気」をキーワードにして、体の状態を分類してみると次のようになる。 状態 1 :恒常性が健全に保たれている状態・・・健康 状態 2 :恒常性が崩れかけている状態・・・未病 状態 3 :恒常性が崩れ、そのままでは元に戻らなくなっている状態・・・病気 これらの間にははっきりした境界はなく、連続的に移行している。中国には昔から「上工治未病」(上工は未病を治す)という言葉がある。つまり良い医者というのは、発病してからではなく、未病の段階で異常を察知し対処するものだ、ということである。一方、西洋医学では、未病を見過ごしてしまい、発病してからはじめて治療に取り掛かる。病気を火事に喩えて言えば、中国医学が火事になりそうな危険な場所をあらかじめ点検したり、燃えそうな建材をあらかじめ不燃材にして無事に防ぐのに対し、西洋医学では火事が起きてしまってから対処しよう、という考え方である。確かに一旦発火してしまえば、とりあえず燃え盛る火の勢いを抑えなければならないのではあるが、それよりも火事の防止や再発を防ぐことも非常に大切であるように、西洋医学のように発病するまで放置しておいて発病してから対処するという考え方は得策とは言えず、中国伝統医学のように、未病気の段階でそれを的確に察知し、自己治癒力を高めることで早めに対処しておこうとする考え方のほうが適切であり重要である。 戦争による負傷で大量の死者が出ることが続いた20世紀前半には西洋医学が目覚しい進展を見せ、抗生物質やワクチンが開発され生命を脅かす感染症などを激減させることに成功はした。だがその後、疾患の状況はすっかり様変わりし、生活習慣や生活環境に起因した心疾患、脳血管疾患、アレルギー疾患、メタボリックシンドローム、膠原病などの慢性疾患が急増し重大な課題となっている。これらの慢性疾患は西洋医学的な治療法(その多くが対症療法)だけでは限界があり、根本治癒にはどうしても、生活習慣を是正しつつ自己治癒力を高めることが不可欠となるので、心と体を一体としてとらえ全体のバランスとリズムをとりもどし病を癒す、と考え、心身一如の思想に立つ東洋医学の考え方が必須となる。
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未病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 02:32 UTC 版)
未病(みびょう)という用語は、『黄帝内経』で初めて使用された。 「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」 既病(きびょう)とは、既に症状が出ている状態。『黄帝内経』では未病とは病気(病原体)は体内にあるのに、症状が体表面に出ていない、しかし治療しなければ早晩発症が必至な状態をさす。
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未病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 02:33 UTC 版)
健康の維持や増進はもともとは東洋医学が得意としている分野である。東洋には病気になる前の状態を呼ぶための「未病」という表現がある。そして中国には昔から「上工治未病(上工は未病を治す)」という言葉がある。つまり良い医者というのは、発病してからではなく未病の段階で異常を察知し対処するものだ、ということを言っている。 それに対して西洋医学では、未病を見過ごしてしまい、発病してからはじめて治療に取り掛かる。西洋においては医療の役割というのは怪我をしたり疾病になってしまった後に事後的に治療するものなのだと考えられがちである。病気を火事に喩えて言えば、中国医学が火事になりそうな危険な場所をあらかじめ点検したり、燃えそうな建材をあらかじめ不燃材にして無事に防ぐのに対し、西洋医学では火事が起きてしまってから対処しよう、という考え方である。西洋の医療ではヘルスケアはなおざりにされてきたのである。西洋医学のように発病するまで放置しておいて発病してから対処するという考え方は得策とは言えず、伝統中国医学のように、未病の段階でそれを的確に察知し、自己治癒力を高めることで早めに対処しておこうとする考え方のほうが適切であり重要である。
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