朝顔の花言葉
朝顔の花言葉の由来
#(1)朝顔の咲き方からつけられたという説花が咲いてもすぐにしぼんでしまうのは、朝顔の大きな特徴である。しかし、翌日になれば朝顔は再び元気に新しい花を咲かせる。このことから、朝顔には前向きで明るいイメージがあるといえるだろう。その潔い咲き方により、朝顔には「明日はさわやかに」の花言葉がつけられた。また、朝顔はツルを柱や柵にしっかりと巻き付け、力強く育っていく。たくましい朝顔の生態は「愛情」「結束」という花言葉につながっていったと考えられる。朝顔が一度にたくさんの花を咲かせるのも、愛と絆にあふれた光景を連想させる。
#(2)朝顔の性質からつけられたという説
巻きつくものがないと、朝顔は生長を止めてしまう。ツルに行き場がなくなってしまうからだ。つまり、支柱があってこそ、朝顔は美しい花を咲かせられるのだ。このことから、朝顔は支え合いや連帯の象徴でもある。「結束」という花言葉は、朝顔の性質からつけられたとの説もある。
#(3)朝顔の美しさからつけられたという説
すっきりとさわやかな朝顔の美しさは、日本の一般家庭でも愛されてきた。「愛情」とは、見ているだけで穏やかになる花の様子からつけられたともいわれている。そもそも朝顔は夏に咲く花であり、日差しや青空などと関係が深い。日本でも、夏休みに子供が栽培するなど、健全な花というイメージがある。朝顔が日本人から愛されてきた事実も、肯定的な花言葉につながってきたと考えられるだろう。
#(4)七夕の言い伝えからつけられたという説
夏に咲く花として、朝顔は有名である。7月ごろになると、満開の姿を見せる朝顔も少なくない。そして、七月といえば東洋では七夕というお祭りがある。七夕は、織姫と彦星が天の川を渡って、1年に1度だけ巡り合える日だ。七夕の翌日、朝顔がきれいに咲いているのは「2人が無事に会えた証」だとされてきた。こうした言い伝えから、朝顔を「愛情」や「結束」の花だとみなすようになったのだ。朝顔は色別にさまざまな花言葉を持っているものの、多くは恋愛に関係している。その理由として、七夕伝説との関連を挙げる人もいる。
#(5)日本の朝顔からつけられたという説
野朝顔という種類が日本では親しまれてきた。そして、野朝顔の生態が花言葉に関係しているとの説も唱えられている。まず、野朝顔のツルはほかの種類よりも太く強い。一度支柱に巻き付いたら、はがすのは至難の業だ。その姿は固い「結束」を連想させる。さらに、野朝顔の葉は愛らしいハートの形をしている。その形状から「愛情」という花言葉が生まれた可能性もあるだろう。そのほか、野朝顔は紫の花を咲かせるものの、翌日になれば赤紫色に変わる。やがてまた、紫になっていく。こうした様子を前向きに解釈し、「明日もさわやかに」との花言葉がつけられたという人もいる。
朝顔の英語の花言葉
英語で朝顔は「morning glory」と書く。英語圏での朝顔の花言葉は「love in vain(はかない恋)」「affection(愛情)」などである。日本と花言葉は大きく変わらず、愛情に関連した花として欧米の人からも親しまれてきた。西洋人も東洋人と同じように、朝顔のはかない美しさに感動して花言葉をつけたのだと考えられる。朝顔の色別の花言葉の解説
#青い朝顔の場合青い朝顔の花言葉は「はかない恋」「短い愛」。朝顔は短命の花なので、そのはかなさを表す花言葉だといえる。もともと青は憂鬱を表す色であり、ほかの花でももの悲しい花言葉を導くことが多い。朝顔にもやはり、寂しいイメージが重ねられたのだと考えられる。
#赤い朝顔の場合
赤い朝顔の花言葉は「はかない情熱的な愛」。そもそも、多くの花において「赤」は情熱を意味している。朝顔の場合も、赤い色は情熱的な愛の象徴とされてきた。一方で、朝顔は咲いてもすぐしぼむことから、刹那的な愛情を示している。朝顔が夏の花なのも、赤のイメージに絡めやすかったのだといえるだろう。
#紫の朝顔の場合
紫の朝顔の花言葉は「冷静」「平常」。どうしてこのような花言葉になったのか、由来ははっきりしていない。ただ、色彩学で紫はリラックス効果を生む色だとされてきた。紫の朝顔を眺めていると心が落ち着くので、このような花言葉になったのではないかと考えられている。
#白い朝顔の場合
白い朝顔の花言葉は「あふれる喜び」「固い絆」。白はまっすぐで純粋なイメージを持つ色である。朝顔の場合も、誠実で肯定的な花言葉につながっていった。白い朝顔はその花言葉から、縁起物とされてきた。日本では江戸時代にブームが訪れ、当時、売買されていた朝顔の多くは白だったといわれている。
#ピンクの朝顔の場合
ピンクの朝顔の花言葉は「安らぎに満ち足りた気分」。ピンクは淡く、さりげない美しさのある色だ。そのため、眺めていると心が落ち着き幸福になる。花言葉はそのときの気持ちを表現していると考えられる。
朝顔の本数別の花言葉の解説
本数別の朝顔の花言葉は特にない。ただし、朝顔全般の花言葉である「愛情」「結束」などは、たくさんの花が仲睦まじく咲いている様子からつけられたとされる。もしも「愛情」や「結束」を示すために朝顔を贈るなら、たくさんの花が咲いているものを選ぶのが正しいだろう。朝顔の怖い花言葉
#ギリシャ神話からつけられた花言葉青い朝顔の「短い愛」「はかない恋」を「怖い」と感じる人もいるだろう。朝顔は本来なら、数々の明るい花言葉を持っている。なぜ青色の朝顔だけネガティブな意味なのかというと、悲しいギリシャ神話に由来しているからだ。大昔のギリシャには、クロッカスという名の美少年がいた。クロッカスはリーズという娘と恋に落ちる。しかし、リーズにはすでに婚約者がいた。娘の結婚を邪魔されたくない両親は、クロックスとの仲を勝手に引き裂いてしまう。
途方に暮れたクロッカスは愛の女神、アフロディーテに助けを求める。アフロディーテはリーズの母親に、クロッカスとの関係を認めるよう告げた。そして、一羽の鳩を贈り物にする。それでも、母親は耳を貸さず、鳩を矢で射貫いてしまった。しかも、その矢は娘にも当たってしまう。怒ったリーズは、クロッカスが元凶であるとして彼を殺してしまうのだ。アフロディーテは2人に同情し、クロッカスを春の花に、リーズを青い朝顔に変えた。ただ、朝顔は夏の花なので、二度とクロッカスに会うことはできない。このような悲話が、青い朝顔の「短い愛」「はかない恋」という花言葉に結びついているといえる。
#朝顔は死の象徴か
朝顔の花言葉に「死」を加える見解もある。夏の早朝というごく短期間にだけ咲く花であるためだろう。種子に含まれる毒性も関係あるかもしれない。朝顔の開花時期は夏場に限られ、しかも午前中のうちに儚く萎んでしまう。朝顔は生命のはかなさを喚起する花でもある。
#愛情の裏返しの花言葉
朝顔の花言葉に「あなたに絡みつく」を加える見解もある。すなわち極度の執着である。この花言葉は、朝顔のツルが支柱にしっかり巻き付いて離れない様子に因んでいると思われる。その意味では「愛情」や「結束」と同じ事象に基づく花言葉である。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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