最初のジャンプ台
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「ホルメンコーレンジャンプ競技場」の記事における「最初のジャンプ台」の解説
ホルメンコーレンスキー大会の前身は現在より町の中心地に近いUllernのHusebyで1879年から1891年の間行われていたHusebyrennetである。1887年にホルメンコーレンへの道が開かれたが、当時この一帯は住宅地ではなくレクリエーションの時に使用されるだけであった。I. C. L. Holmはこの地のレクリエーションセンターとしての潜在能力を見抜いて開発を決意、1886年にPeisestuenを設立、1891年にはHolmenkollen Sportsstue、1894年にはHolmenkollen Sanatorium(現在のHolmenkollen Park Hotel Rica)、1900年にはVoksenkollen Sanatoriumが次々と開設された。1890年のHusebyrennetは雪不足のため中止となり、代わりにFrognerseterenのUllbakkenで大会が行われた。街から遠いために大会は日曜日に行われたが、このことに批判があったためその代償として入場料を徴収しないことを決めた。翌1891年、Husebybakkenで最後の大会が行われた。1891年のシーズン後、Husebybakkenの土地所有者とリースの交渉をする必要があった。Husebyでは雪不足が何度かあり、Fritz HuitfeldtとHans KragはBesserudに新しいジャンプ台の建設を提案した。ノルウェースキー振興協会は半年後に会場の移転を承認した。Besserudの丘の麓に作られた小さな池はホテルへ十分な水の供給を生み出した。この池は冬の間氷で覆われる。建設は簡単であった。木を数本伐採し、雪が降ると枝を払った。 ホルメンコーレンでの最初のジャンプ競技は1892年1月30日に行われた。Arne Ustvedtがおよそ12,000人ないし15,000人の観衆が見守る中21.5メートルの最長不倒距離を記録した。なお、このジャンプはノルディック複合の前半ジャンプで、Svein Sollid(テレマーク地方のMorgedal出身)がホルメンコーレン大会初代チャンピオンとなった。以降もホルメンコーレン大会ではノルディック複合のみが行われ、純ジャンプ競技が行われたのは1933年が最初である。歴代優勝者はホルメンコーレン大会におけるスキージャンプ競技を参照。 最初のジャンプ台は踏切台の直後に塚があり、これが落下するような感覚を与えて、着地を難しいものにした。そこで、ジャンパーがより安全に着地できるようにプロフィールをわずかに変更することが決められた。とはいうものの当時は標準プロフィールというものは存在しなかったので、ノルウェースキー振興協会は、より良いプロフィールを作成するために試行錯誤した。新しいプロフィールのジャンプ台は1894年から使用され、改良工事には2000ノルウェークローネが投じられた。初期のジャンプ台は踏切台を毎年作り直していたので、位置が毎年変わった。1904年に踏切台が石積みで築かれ、固定された。1907年のシーズン前にランディングバーンが25m地点から僅かに掘り下げられ、より着地が容易になった。1910年に踏切台は位置を変え、高さ2mの石積みに作り変えられた。固い氷の層で池を保つために、雪が降ったら取り除かれた。 氷が十分に厚くないとイヴェントの最中に観客席に問題が生じるからである。1913年から池はホテルのサービスの一環としてスケートリンクとして開放された。しかしこれは成功せず、数年で廃止された。 1910年代には当時アメリカで一般的になっていた足場構造でインランが構築されたが、ノルウェーのマスコミには酷評された。1914年のシーズン前、高さ10mの鉄製足場のインランが構築された。これはマスコミから大きく非難された。自然の丘でジャンプ競技を行うのが世論であった。しかし同年、NydalsbakkenとSolbergbakkenの2か所のノルウェーを代表するジャンプ台が同様の構造を取り入れた。1914年1月15日に新しいジャンプ台で試技が行われ、34mを記録した。これは当時の世界最長記録であった。ジャンプ台はその後も数回改修された。プロフィールを改善するため掘削を行い、ランディングバーンに播種して斜面を保護した。1923年ホルメンコーレンスキーミュージアムがタワーの下に開設された。これは世界最古のスキーに関する博物館である。第二次世界大戦後から1980年代中ごろまでヤコブ・ヴァーゲが館長を勤めた。 ノルウェー皇太子のオーラヴ5世は1922年と1923年にホルメンコーレンジャンプ大会に参加した。
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