書籍形態
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「ハリー・ポッターシリーズ」の記事における「書籍形態」の解説
英語版 イギリス / UK版(原書) 作者ローリングの母国イギリスでは、ブルームズベリー社から発売されている。第1 - 第4巻まではペーパーバックが中心だったが、第5巻以降はハードカバーが中心となる。児童向けの、イラストを用いたカラフルな装丁のほか、大人向けに黒地にカラー写真を配したシックなデザイン(アダルト版)も存在。モノクロ写真を用いたよりシンプルなデザインのアダルト版もあったが、第5巻以降は発売されていない。2010年に、新装版が発売され、白地にクレア・メリンスキーによる版画風のシンプルなイラストが描かれたデザインになっている。 原書であるイギリス版では、挿し絵はいっさいなく、一般のイタリック以外の変わりフォントは用いられていない。 アメリカ / US版 スコラスティック社から発売され、各国版中最大の出版部数を記録している。アメリカ版では一部の単語についてアメリカ英語に修正して出版している。とくに第1作『賢者の石』アメリカ版は、出版社の強い要求で "the Sorcerer's Stone" に変更されて出版された。イギリスでは "philosopher" という単語で「魔法使い」(錬金術師)というニュアンスが読者に伝わるのに対して、アメリカでは "philosopher" だと読者は「哲学者」を連想し「魔法使い」につながることがほとんどない、というイギリス英語とアメリカ英語の違いが米国側の主張する理由であった。"Sorcerer" という単語は、「魔法使い」を示す単語として以前よりアメリカ国内などですでに広く知られていた単語ではあるが、のちにローリングは当時立場が強ければ改題には反対したと語っている。ほかにも、ハリーの親友ロン・ウィーズリーやその兄弟たちはウィーズリー夫人のことをUK版では「Mum」と呼ぶが、US版では「Mom」となっている。これに対して作者は「ウィーズリー夫人はMumでありMomというイメージには合わない」と強く主張をしたので現在[いつから?]では「Mum」に変更されている。 アメリカ版はメアリー・グランプレによる挿絵が、各章冒頭に挿入されている。また変わりフォントが、手紙文・新聞記事などを表現するのに用いられている。 中国語版、韓国語版、ポルトガル語版、ノルウェー語版など、アメリカ版の表紙を用いた言語も多い。 ドイツ語版 カールセン社から発売。ハードカバーのみで、挿絵はなく、変わりフォントも用いられていない。 作者名は「JOANNE K. ROWLING」表記(ファーストネームを記載)。表紙は7巻ともザビーネ・ウィルハームによる。なお、各章には番号が振られておらず、目次もない。 フランス語版 ガリマール社から発売。ペーパーバック中心。表紙は7巻ともジャン=クロード・ゴッティングによる。 スペイン語版 Emece社から発売。 イタリア語版 French & European Pubnsから発売。 中国語版 地域によって別々に翻訳されている。訳者も出版社も異なるので違う訳文であり、使用文字・慣習が異なるため、作中の固有名詞や呪文の訳し方も違う。なお、第1巻は繁体字版の方が3か月先に刊行されたが、その後の巻はほぼ同時期(数日違い)に刊行された。繁体字版(台湾版) 皇冠出版社から発売。 簡体字版(中華人民共和国版) 人民文学出版社から発売。底本はアメリカ版で、表紙・挿絵も流用している。原文の強調部分のほか手紙文のフォントも変えてあるが、いずれも一般のフォントで、変わりフォントではない。また、イギリスの文化・地名に関する語について、ページ下部にわずかに脚注がついている。 日本語版 静山社から発売。訳者は全巻とも松岡佑子。ハードカバー版および携帯版(新書サイズのソフトカバー)が発売され、アメリカ版に影響を受け、手紙文・新聞記事のほか、台詞まで変わりフォントが用いられている。第4巻以降は、上・下巻に分冊(ただし別売不可)。表紙および各章冒頭の挿絵は、7巻ともダン・シュレシンジャー(新装版は佐竹美保)による。 近年[いつ?]は全巻を合計20冊に分けて発売されていることが多い。
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