文化史系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 07:31 UTC 版)
「東京大学総合研究博物館」の記事における「文化史系」の解説
考古部門 - 中国、朝鮮半島、北海道を中心とした、石器、土器、青銅器などの考古資料を収蔵する。特に戦前の中国、朝鮮の出土品は、文化財の国外持ち出しが制限されている現在では収集不可能となった貴重なものである。 建築史部門 - 収蔵品は、東京帝国大学教授で日本の建築史の草分けである関野貞の収集品を中心とする。関野が中国と朝鮮半島で収集した瓦、甎、土器、石碑の拓本、古写真などが主なものである。 考古美術部門 - 当部門の主要な収蔵品は、1956年以来東大が継続しているイラク・イラン遺跡調査による出土品である。1970年頃から、イラク・イランでは古文化財の国外持ち出しが制限され、完形の土器などの優品の収集は困難になった。そのため、優品の多くは、それ以前の収集であり、江上波夫(東洋文化研究所所長)を団長とするイラク・イラン遺跡調査団による調査(1956年から1965年までに前後5回)によってもたらされたイラク北部のテル・サラサート遺跡出土品などが代表的なものである。 美術史部門 - 中国・朝鮮・日本の陶磁器などの実物資料のほか、美術作品の模写、拓本、写真資料などの研究資料を収蔵する。江戸時代を代表する狩野派の絵師・狩野探幽は古画の模写を精力的に行い、鑑定や弟子の教育に役立てたが、その探幽による古画の縮小模写を集成した『探幽縮図』は絵画史の研究資料としても貴重なものである。法隆寺金堂壁画の原寸大コロタイプ複製は、火災に遭う前の同壁画の画面の状態を知る上で貴重な資料である。 文化人類部門 - 1958年以来東京大学が進めてきたアンデス地帯学術調査団によってもたらされた石器、土器、織物等の考古資料が収蔵品の中心である。東大の調査団は、1960年から行われたペルー北部の発掘調査で、それまで知られていたチャビン文化(紀元前800年頃)をさらにさかのぼるコトシュ遺跡の神殿を発見し、古代アンデス文明の形成過程の解明に大きく寄与した。
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