きく6号
名称:技術試験衛星VI型「きく6号」/Engineering Test Satellite-VI(ETS-VI)
小分類:技術開発・試験衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/郵政省通信総合研究所(CRL)/日本電信電話株式会社(NTT)
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/郵政省通信総合研究所(CRL)/日本電信電話株式会社(NTT)
打ち上げ年月日:1994年8月28日 (種子島宇宙センター)
運用停止年月日:1994年8月28日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-II
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際表記番号:1994056A
きく6号は、21世紀に必要となる「2t級静止三軸姿勢制御型の実用衛星」の技術基盤を確立するために開発されました。そのため、前回のきく5号に比べて、4倍近い重量の大型衛星(2t)になりました。また、高度衛星通信の軌道上実験のための通信系実験機器や、衛星の高性能化のための技術や、機器などを実証するバス系実験機器を搭載しました(バスとは衛星本来の機能を果たすためのものです)。さらにきく6号を打ち上げる、H-IIロケットの能力確認も目的としていました。
通信系実験では、マルチビーム方式の固定通信、移動体通信、衛星間通信、光通信などの実験をおこないました。
バス系ではニッケル水素バッテリの実証や、太陽幅射圧による姿勢外乱の推定とソーラセイルによる姿勢制御実験、宇宙環境の観測などをおこないました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
翼のような形の太陽パドルを持つ直方体(約3.0m x 2.0m x 2.8m)の形をしています。本体の大きさは約2m×3m×3mですが、太陽電池パドルやアンテナを広げると、南北方向約30m、東西方向約9.3m、地球方向約9.3mの大きさになります。
重量は約3.8t(打ち上げ時)/静止衛星軌道上初期約2tです。
姿勢制御方式は、三軸姿勢制御方式を採用しています。
また、今まで静止軌道への投入に使用していた、固体燃料の軌道変更用ロケット(アポジロケット)のかわりに、液体燃料の軌道変更用エンジン(アポジエンジン)を初めて採用しています。
2.どんな目的に使用されるの?
実験システム、きく6号は1990年代の通信・放送分野の要求に適合する「2トン級実用静止三軸衛星のバス技術の開発」と、将来、実用衛星に必要となる高度な衛星通信の技術開発をおこなうことを目的とされました。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
きく6号は、1994年8月に打ち上げられましたが、アポジエンジンの不具合によって静止軌道への投入は断念されました。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
きく、きく2号、きく3号、きく4号、きく5号、きく7号(おりひめ・ひこぼし)、きく8号があります。
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書からきく6号を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- きく6号のページへのリンク