性的嗜好の類型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 15:14 UTC 版)
性的嗜好は、人間のあらゆる行動や行為が多様で、個人ごとで様々な好みや傾向性を持つのと同様に、あまりにも多様で、本来類型化など不可能である。なぜある特徴、ある行為、ある状況に魅惑されるのか、その原因と想定されるものが、非常に多様多彩であることも考えれば、類型を想定することに無理があるとも言える。 しかし、それでもある種の性的嗜好は、その原因に関する説明理論から類型が立てられ、また社会道徳的に「異常」と通説されるものは、その行為や嗜好の特異性あるいは外見の特徴から類型が立てられている。異常とされる類型は、精神医学的に、健全な心理の所産とは考えがたいものは性的倒錯の類型となり、世俗道徳的な偏見における類型は、変態性欲の類型になる。 性的フェティシズム:相手の身体の一部、衣服・装身具などへの好み・こだわり。身体のパーツに由来するもの乳房へのフェティシズム:バストへのこだわりで、巨乳や貧乳、思春期前の乳房(つるぺた)、思春期の乳房の発達期などへの好みがある。胸フェチなど。 足・脚へのフェティシズム:主に女性の足・脚の美しさへのこだわり。足フェチ、脚フェチなど。足指、足首、脹脛、腿部などに分類される。また素足(生足)を好む他にも網タイツやパンティーストッキングを着用した女性へのフェチ(さらにそれを破いた時、脱装着時、履いた上から糞尿というようにコアな物へと分類される) 手へのフェティシズム、指へのフェティシズム:男性の手や指へのこだわり。主に女性側からのフェティシズム。手フェチ。 服装に対するもの靴へのフェティシズム:ハイヒールなどへの性的嗜好。靴フェチ、ブーツフェチなど。 毛皮へのフェティシズム:毛皮を着た対象者への好み。毛皮自体への嗜好。 デニム生地への嗜好:デニムの色や着用したときの引き締まりへの性的嗜好。 革(レザー)への嗜好:レザーの滑らかな光沢や引き締まりへの性的嗜好。 ラバー(ゴム)への嗜好:ラバーフェチなど、身体にぴったり密着するゴムの衣装などへの嗜好。 下着へのフェティシズム:女性のパンティ、ブラジャー、男性のブリーフやふんどしなどへのこだわり。 服飾フェティシズム:異性装など、男性が女装すること、女性が男装することなど。体操服フェティシズム:体操着やブルマー、紅白帽子、鉢巻、トレーニングウェア(特にジャージ素材のトレーニングパンツまたはハーフパンツ)の色やサイドライン・切り返しの入り具合など。 水着フェティシズム:水着や水泳帽子、レオタード等へのこだわり。 窃視症:他者の性的行為などを覗き見する性的嗜好。 露出症:自分の裸体・性器などを他者や公衆の前に示して性的興奮等を得る嗜好。 対象の年齢に対するものペドフィリア(小児性愛):幼児童に対し性的魅惑を覚える性的嗜好。 少年性愛:思春期の少年に対し性的な魅惑を感じる嗜好。12歳以下だとペドフィリアと重なる。 少女愛:思春期の少女に対し性的な魅惑を感じる嗜好。12歳以下だとペドフィリアと重なる。 エフェボフィリア:思春期から青年期の男女に対する性的嗜好。性嗜好の少年愛や少女愛と重なる面がある。 老人性愛:老人に対し、性的魅惑を覚える性的嗜好。 女斗美:女性同士の格闘に性的な魅惑を感じる嗜好。 動物性愛:ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコなどの動物に性的魅惑を抱く。獣姦ともなる(牧畜社会などでは、独身の男性がヒツジなどを性的対象とすることは珍しいことではなかった)。 サディズム:相手に対し(性的な)屈辱などを与える嗜好。 マゾヒズム:相手から、または自分自身で屈辱などを受ける嗜好。 母乳に対する嗜好:相手の授乳を見たり、母乳を身体に受けたり、母乳を飲むことが快楽である嗜好。 尿に対する嗜好:相手の排尿を見たり、尿を身体に受けたり、尿を飲むことが快楽である嗜好。 糞便嗜好:糞便を食べること、見ること、浣腸、お漏らし、トイレ以外での排泄で性的興奮を得る者や、手などで弄ぶこと、体に糞尿を塗る(塗糞)や顔に糞尿を浴びるなどといった行為で興奮する場合など。 死体愛好(ネクロフィリア):死体に対し性的魅惑を感じる嗜好。死姦なども含む。
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