徳川慶喜の将軍就任とは? わかりやすく解説

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徳川慶喜の将軍就任

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 12:14 UTC 版)

鳥羽・伏見の戦い」の記事における「徳川慶喜の将軍就任」の解説

江戸幕府第14代征夷大将軍徳川家茂薨去後老中板倉勝静幕臣永井尚志はご遺命称し徳川宗家初代家康以来代々継いできた将軍職相続を、徳川慶喜勧めてやまなかった。12代将軍・徳川家慶の命で水戸徳川家から一橋徳川家養子になり、のち父方主家にあたる徳川宗家将軍後見職とされ、また禁裏御守衛総督として母方有栖川宮家)の主家にあたる天皇家へ侍っていた慶喜だったが、「予には以前養君一件未成年のまま14代の前将軍継いだ家茂との間で生じた将軍継嗣問題)があって、さも将軍になろうとする野心あるかのよう風説中傷され経験があるので、いまもし将軍職継げばますます世評害することになるだろうか受け入れがたい」と板倉らへ説明し将軍職継承拒んでいた。長倉永井両人は「仰せられる事は誠に道理でありますが、いまのまつりごと歩みは実に国難の際で、貴卿ならずんばこの政局にあたって適う人はひとりもございません。とにかく、ご議論なさらず是非お引き受けください」と拒む慶喜へいった。慶喜は「たとえ朝廷からご沙汰があろうとも、お受けいたしますまい」というが、両人は「決し朝廷ご沙汰請うような事はつかまつりますまいが、ただわれらが誠意をもって、貴卿のご許諾を待つのみでございますというと毎日慶喜のもとへやってきて「今日はどうなさいますか」「今日はどうなさいますか」と迫ってきていた。この間慶喜にも思い巡らしていたふしがあり、ひそかに水戸藩士側近原市之進召して本当心の内語り、「板倉永井らにはご養君の事で辞める説明したが、実はあのような事はどうでもよい。ただつらつら考えると、今後処置極めて困難で、どうなりゆくかも予想つかない。いづれにしても徳川家これまでのよう持ち伝えようとするのは覚束ないので、この際いっそ断然王政御世にかえしひたすら忠義尽くそうと思うが、なんじの心に思うところはどうか」と問いかけた。原は「ご尤もご存知よりではございますが、もし挙国一致できなければ常な紛乱をまねくでしょう第一そのような大事を決行する堪えられる人がございましょうか。今の老中らでは、まことに失礼ながら無事なしとげられるとも拙者には思えませぬ。人物がいないわけではございませんが、いまのご制度では、急に身分の低い者を登用して大事に当たらせるのもまた、難しでしょう。そうであればご先祖以来規範をご持続なさいます方がよろしいでしょう」といった。このため慶喜はまだ大政奉還をこのとき決行することはできなかったが、板倉永井をよぶとついに「徳川宗家徳川氏本家)を継ぐだけで、将軍職受けずに済むなら、足下らの願いに従ってもよい」といった。板倉永井らはそれでもよいでしょうと、慶喜宗家相続した。このとき一橋徳川家家臣慶喜仕えていた元農民名主)の志士渋沢栄一は、慶喜為にはわが主君国事難局当たって宗家を継ぐべきではないと考え、原へなにゆえ宗家相続反対しないのかと進言したが、採用されなかったので、たとえようもないほど落胆した慶喜がいざ宗家相続してみると、老中らはまた「将軍職受けてくださいますよう」と強請してくるだけでなく、対外的な統一政権としての外国との関係――外交上の代表権問題大政奉還以前天皇ではなく征夷大将軍大君)が事実上日本主権を持つ、唯一の公的政権代表者だった――なども重なって結局は将軍職許諾せざるをえなくなったこの頃慶喜大政奉還の志をもちはじめ、「東照公(徳川家康公)は日本国のために幕府開き将軍職に就かれたが、予は日本国のために幕府葬る任にあたるべき」との覚悟定めた12月5日慶喜二条城明治天皇から江戸幕府第15代征夷大将軍宣下受けた

※この「徳川慶喜の将軍就任」の解説は、「鳥羽・伏見の戦い」の解説の一部です。
「徳川慶喜の将軍就任」を含む「鳥羽・伏見の戦い」の記事については、「鳥羽・伏見の戦い」の概要を参照ください。

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