延喜式祝詞
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太古より神祭りに際し、何らかの詞を唱えていたらしいことは、記紀の天岩屋戸のくだりにおいて天児屋命がフトノリトゴトを奏したとあり、『古事記』の国譲りのくだりで、神聖な火を切り出して神饌を調理し、神に奉るときに寿詞(火鑚詞)を奏したとの伝承が残っていることから、うかがえる。古代より現代まで祝詞は作られているが、神道古典として、また現代祝詞の規範になっているのは延長5年(927年)12月奏進の『延喜式』巻八に収められている27編の祝詞である。以下に表にして示す(各祝詞の読み方は、青木[2000]によった)。 延喜式祝詞一覧分類祝詞名読み方文体1 朝廷の恒例祭祀 祈年祭 としごいのまつり 宣命体 2 春日祭 かすがのまつり 奏上体 3 広瀬大忌祭 ひろせのおおいみのまつり 宣命体 4 龍田風神祭 たつたのかぜのかみのまつり 宣命体 5 平野祭 ひらののまつり 奏上体 6 久度古開 くどふるあき 奏上体 7 六月月次 みなづきのつきなみ 宣命体 8 大殿祭 おおとのほかい 奏上体 9 御門祭 みかどほかい 奏上体 10 六月晦大祓 みなづきのつごもりのおおはらえ 宣命体 11 東文忌寸部献横刀時呪 やまとのふみのいみきべのたちをたてまつるときのしゅ 12 鎮火祭 ひしずめのまつり 奏上体 13 道饗祭 みちあえのまつり 奏上体 14 大嘗祭 おおにえのまつり 宣命体 15 鎮御魂斎戸祭 みたまをいわいべにしずむるまつり 奏上体 16 伊勢の神宮の祝詞 二月祈年、六月十二月月次祭 きさらぎのとしごい、みなづきしわすのつきなみのまつり 奏上体 17 豊受宮 とようけのみや 奏上体 18 四月神衣祭 うづきのかんみそのまつり 宣命体 19 六月月次祭 みなづきのつきなみのまつり 宣命体 20 九月神嘗祭 ながつきのかんにえのまつり 奏上体 21 豊受宮同祭 とようけのみやのおなじきまつり 奏上体 22 同神嘗祭 おなじきかんにえのまつり 宣命体 23 斎内親王奉入時 いつきのひめみこをたてまつりいるるとき 奏上体 24 遷奉大神宮祝詞 おおかみのみやをうつしまつるのりと 奏上体 25 朝廷の臨時祭祀 遷却祟神 たたりがみをうつしやる 奏上体 26 遣唐使時奉幣 もろこしにつかいをつかわすときみてぐらをたてまつる 奏上体 27 出雲国造神賀詞 いずものくにのみやつこのかんよごと 奏上体
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延喜式祝詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 20:46 UTC 版)
神名の「ウカ」は穀物・食物の意味であり、同じ意味の「ウケ」「ケ」を名前に持つ食物の女神とは習合していくことになる。平安時代の『延喜式』(大殿祭祝詞)には、トヨウケビメの別名ともされる屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)が登場するが、この女神について祝詞の注記では「これ稲の霊(みたま)なり。世にウカノミタマという。」と説明しており、ウカノミタマを女神と見なしていたことがわかる。上述した『日本書紀』の厳稲魂女も稲の霊であり、これらの記述から、食物の持つ生命力や稲霊(いなだま)が女性的なものと考えられていたことがうかがえる。
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