年齢と学歴の表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 22:46 UTC 版)
子ども手当に関しては、「学齢期の者は全員、就学しており、かつ「年齢相当学年(「年齢主義と課程主義」を参照)」に在籍している」との前提で、下記のように党・報道機関・行政機関などが学歴と年齢を同一視している例が見られる(中学校の卒業者=全員が高校に進学できるとは限らない)。 民主党は2009年版マニフェストでは、「中学卒業までの子どもに支給する」と謳っていたが、実際に導入された制度では受給資格に学歴用件を設けておらず、一定年齢の一定期日で打ち切られる制度となった。 民主党の2007年版マニフェストにおいては、同じページに「義務教育終了まで支給する」と「中学校卒業まで支給する」の二種類の表現が存在していた。その後の2009年版マニフェストでは、「中学校卒業まで」だけが残った。また2010年版マニフェストでも、年齢については明記されず、中学生という書き方になっている。 ほとんどの報道機関が、民主党の発表の表現に倣い、子ども手当関連の記事においては、「中学卒業まで」や「中学3年生まで」などの表現を用いている。一方で、「15歳まで」などと年齢のみで表現している例は少ない。 厚生労働省が作成したパンフレットなどにおいても、年齢上限を書かずに「中学修了まで」などの表記を用いている。なお、2010年(平成22年)1月に開かれた国会議員と厚生労働省の官僚との会議において、議員の側から「子ども手当について、中学校卒業までとあるが、留年していた場合などにおいてはどのように取り扱われるのか。様々なケースが想定されるのでQ&Aを作ってほしい」との疑問と要望が出されているが、2010年(平成22年)5月になっても、厚労省作成のQ&A「子ども手当について 一問一答」、「リーフレット「子ども手当」( (PDF) )」の両方とも、対象年齢の説明が一切なく「中学校修了(卒業)」とのみ書かれていた。5月31日になって新しい「リーフレット「子ども手当」」が掲載されたが、これにも年齢と学歴がイコールの形で書かれており、留年した場合などについての解説はない。 また各市町村においても、年齢ではなく「中学生まで」などの表記をしている例が多数である。児童手当からの切り替えなどの実務に関する案内においても、「小学6年生」や「中学2 - 3年生」などの用語を用いている例が多く見られ、「同学年=同年齢」が前提の表現となっている。これにより、例えば2010年(平成22年)4月1日時点で13歳以上の中学1年生(年齢制限により前年度は児童手当は不支給)を養育している親が受給を希望する場合、案内に従えば申請の必要はないことになるが、実際には「認定(額改定)請求書」を提出しなければ受け取り漏れが生じる。 2000年(平成12年)国勢調査によれば、学齢超過(=子ども手当対象外)の小中学生は5万6千人存在することが分かっている。これ以外にも学齢期の不就学者も外国籍児童を中心として多数おり、彼らも子ども手当の対象である。 子ども手当法においては、旧児童手当法の規定と連動して、各自治体に政府が子ども手当費用を交付することになっているが、その対象年齢の書き方において、下記のように「年齢」ではなく、「学歴」を指す用語が使われている。 五 三歳以上小学校修了前の子どもが二人以上あり、かつ、十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日を経過した児童手当法第三条第一項に規定する児童(※)(次号において「小学校修了後高等学校修了前の児童」という)が一人いる者に対する費用(当該三歳以上小学校修了前の子どもの数から一を控除して得た数に一人当たりの子ども手当の額を乗じて得た額に係る部分に限る) 三十九分の十九(※)「児童手当法第三条第一項に規定する児童」とは「18歳の4月1日の前日までの児童」のことである。 七 十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日を経過した子ども(※)(以下この号並びに附則第四条第二号及び第五条において「小学校修了後中学校修了前の子ども」という)がいる者に対する費用(当該小学校修了後中学校修了前の子どもに係る子ども手当の額に係る部分に限る) 十分の十(※)子ども手当法第三条において「子ども」とは、15歳の4月1日の前日までの子どものことである。 このように、小学校は12歳で卒業し、中学校は15歳で卒業し、高校は18歳で卒業することを前提とした、年齢主義に基づいた書き方がなされている。なお、旧児童手当法にも「小学校修了」などの表現は存在したが、「中学校修了」や「高等学校修了」などの表現はなかった。また、子ども手当法案は民主党が野党時代にも何回か提出したが、そのときの法案には学歴に関する表現は(一部を除き)含まれておらず、2010年(平成22年)1月29日に、第174回国会に提出された法律案で出現している。
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