平成18年改正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 07:12 UTC 版)
2006年(平成18年)、金融庁や自民党などで、グレーゾーン金利廃止などの法律の改正が議論され、後藤田正純ら規制強化を主張する人と、保岡興治ら例外措置として従来通りの金利を残すと主張する人が対立した。 しかし、日本弁護士連合会、マスコミ世論、民主党の反発を受けて、グレーゾーン金利の廃止等を盛り込んだ内閣提案改正法案が同年10月31日に第165回臨時国会に提出され、同年12月13日に成立、同月20日に公布された(平成18年12月20日法律第115号、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律)。そして、2007年(平成19年)12月19日に本体部分が施行された。 同改正法の主な内容は次のとおりである。 貸金業の適正化参入に必要な純資産額の引上げ(現行の個人300万円・法人500万円から、施行後1年半以内に2000万円に、上限金利引下げ時(4条施行時)に5000万円以上に順次引き上げる。) 貸金業協会の自主規制機能の強化 夜間に加え日中の執拗な取立て行為の規制 借り手の自殺による生命保険金による弁済禁止 特定公正証書(強制執行認諾付公正証書)作成のための委任状取得の禁止 利息制限法を越える契約についての特定公正証書作成の嘱託の禁止 過剰貸付けの抑制(総量規制、本体施行から2年半以内となる2010年6月18日に施行)1社で50万円、又は他社と合わせて100万円を超える貸付けを行う場合には、源泉徴収票等の提出を受けることを義務付け、年収等の3分の1を超える貸付けを原則として禁止する。この除外として貸金業法施行規則第10条の21 第1項が規定されている。住宅ローン・リフォームローン(第1号の1)、これのつなぎ融資(第1号の2) オートローン(第1号の3) 高額療養費の貸付け(第1号の4) 有価証券担保貸付け(第1号の5) 居宅以外の不動産担保貸付け(第1号の6) この例外として貸金業法施行規則第10条の23 第1項が規定されている。段階的な返済のための借り換え(第1号の2) 医療費の緊急貸付け(第2号)、特定緊急医療費貸付契約(第2号の2) 配偶者貸し付け(第3号、夫婦合算で年収3分の1までとなる) 個人事業主の事業資金貸し付け(第4・5号) 預金金融機関の融資が実行されるまでのつなぎ資金の貸し付け(第6号) 指定信用情報機関制度の創設(本体施行から1年半以内に施行)全国銀行個人信用情報センター、シー・アイ・シー、日本信用情報機構が指定された。 正当な理由なくして登録から6ヶ月以内に事業を開始しなかったり、6ヶ月以上事業を休止した場合は登録取り消しの対象となる。 グレーゾーン金利の廃止(本体施行から2年半以内となる2010年6月18日に施行)みなし弁済制度の廃止 利息制限法所定の制限利率(15%〜20%)と出資法所定の上限利率(20%)の間の金利での貸付けについては、行政処分の対象とする。 日賦貸金業者及び電話担保金融の特例の廃止 ヤミ金融対策の強化ヤミ金融に対する罰則最高刑を、懲役5年から懲役10年に強化する(この部分は公布から1か月後に施行された)。 同改正法の本体施行日(2007年12月19日)から、本法の題名は「貸金業の規制等に関する法律」から「貸金業法」と改められた。ただし、上記のとおり、みなし弁済の廃止や総量規制の導入については本体施行後2年半以内(実際には2010年6月18日)に施行されるなどの例外が設けられ、全体としては5段階の施行となっている。
※この「平成18年改正」の解説は、「貸金業法」の解説の一部です。
「平成18年改正」を含む「貸金業法」の記事については、「貸金業法」の概要を参照ください。
- 平成18年改正のページへのリンク